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    ヴァチカン教皇庁図書館展

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      JUGEMテーマ:展覧会

      「ヴァチカン教皇庁図書館展」というものを見てきました。
      これは水道橋にある(私は飯田橋から歩いた)印刷博物館
      で4月25日から7月12日までやっています。あんまり
      宣伝とかされていないのですが、友人に教えられて見に行き
      ました。

      図書館展なので基本的に本や出版物の展示です。でもヴァチカン
      内部が映像で見られたりとなかなか楽しめました。何よりも大きく
      て重そうなたくさんの本に圧倒されました。ルネサンス期は印刷
      技術が発明されましたが、それでも当時本は貴重品で裕福な知識人
      であっても一生の間に読める本は限られていたと思います。それだ
      けに同じ本を繰り返し読み、その本の内容はもちろんのこと字体や
      挿絵、どの言語で書かれていたか、本の重さや表紙の色や手触り
      などその本に関わるすべてのことが記憶に刷り込まれたのではない
      かと思いました。挿絵のところにはボッティチェリ、デューラーと
      いった有名な画家の名前もチラホラ出てきて、当然ながら白黒の線
      だけでもものすごくうまく迫力がありました。ダンテの「神曲」な
      どは何種類もあって、あの当時から多くの人に読まれていたのだな
      とあらためて思いました。

      500年前に作られた本は、印刷されたものであっても、大きさや
      重さ(持ちあげたわけではないけど)が今の本とは全然違って圧倒的
      な存在感がありました。当時本を出したことで地位や名誉や仕事を得
      られた人もいれば本を書いたために異端者として殺された人もいる、
      1冊の本に因って著者の人生が大きく変わることもよくありました。
      読むほうも書く方も真剣勝負、場合によっては殺される危険もある中
      それでも自分の思想をまとめて出版し世の中に問わずにはいられなか
      った人の気持ちが伝わってきて、見ているうちにクラクラしてきまし
      た。中にはヘルメス選書のような本もあって、このような本が教皇庁
      の図書館にあっていいのだろうか、こういう本をどんな人が読んだの
      だろうか、いろいろなことを考えてしまいました。ルネサンス期の本
      に圧倒されてその後の日本と関係のある資料はざっと見ただけで帰り
      ました。本の持つエネルギーや力を強く感じた展示会でした。エネル
      ギーや思い入れを吸収し過ぎてフラフラになりましたが・・・
      ステラ * 美術展 * 17:16 * comments(0) * trackbacks(0) * -

      ボッティチェリとルネサンス

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        JUGEMテーマ:展覧会

        「ボッティチェリとルネサンス」展を見てきました。平日
        の午前中だったのにかなり混んでいました。日本でルネサ
        ンスやボッティチェリの人気はかなり高いようです。

        今回の展覧会で絵だけでなくフィレンツェの金貨や生活用品
        なども展示されていたことがうれしかったです。特にフィレン
        ツェで作られたフィオリーノ金貨が重さや製法がきっちり決め
        られていて何百年も守り続けたからこそ国際社会で信頼が高く
        それが商業が発展する基盤となったと言う説明になるほどと思
        いました。ジュリアーノ(ロレンツォの三男)のための算術書
        などもあって、細かい挿絵がついていてとにかく豪華な本、興味
        深いものでした。

        ボッティチェリの初期の絵はフィリッポリッピの影響を強く感じ
        ました。聖母子に天使や洗礼者ヨハネが加わるという絵が圧倒的
        に多いのですが、どれも優雅で上品、多くの人に好まれると思い
        ました。さらに有名な「ビーナスの誕生」のビーナスだけを取り
        出したような絵もあって、これはきっと個人の家に飾られていた
        と思います。

        やがてボッティチェリはメディチ家の注文を受けて「春」「ビー
        ナスの誕生」などの大作を仕上げます。それ以外にもたくさんの
        注文を受けて絶頂期だったのでしょう。でもロレンツォの死によ
        ってメディチ家は没落し追い出されてしまいます。代わってフィ
        レンツェで実権を握ったサヴォナローラは極端な神権政治を行い
        贅沢品やギリシャ神話など異教の芸術作品は燃やしてしまうよう
        命じます。ボッティチェリもまたサヴォナローラに心酔して自分の
        作品を燃やしてしまいました。

        そのサヴォナローラが処刑された後、ボッティチェリの晩年の作品
        もいくつか展示されていました。当時は画家1人が絵を仕上げてい
        たわけではなく工房で弟子に描かせてもいたので、その工房とつけ
        加えられているのですが、その中でこれはかなりパターン化されて
        いるなと感じたものと、同じ聖母子でも初期の完成された作品に比べ
        歪みやいびつなところがあると感じるものがありました。歴史に残る
        ような大作は描けなくなっても工房を維持し生活していくためには
        注文を受けて絵を描き続けなければならない、そうして生まれた作品
        の中で特に少し歪んだものの方に注目しました。もてはやされた若い
        頃の完成された作品とは違う強い苦悩や不安といった感情が読みとれ
        ました。たくさんの聖母子の絵が飾られていましたが、私が今回1番
        感動したのは、晩年に描かれたいくつかの絵でした。
        ステラ * 美術展 * 11:44 * comments(0) * trackbacks(0) * -

        ウフィツィ美術館展

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          JUGEMテーマ:展覧会

          ウフィツィ美術館展へ行きました。ルネサンス期の歴史
          や美術はかなり得意なので、とても興味深く見ることが
          できました。ルネサンスというと三代巨匠が有名ですが
          その他にも素晴らしい作品がたくさんある、狭い地域で
          短い期間によくもまあこれだけ大勢芸術家が集まったも
          のです。当時は工房があり徒弟制度があったから優れた
          師匠がいて裕福なパトロンがいた場所に芸術家も集まった
          のでしょう。

          修道士でありながら駆け落ちしたフィリッポ・リッピと
          弟子のボッティチェリなどはさすがに女性を描くのがう
          まいです。息子のフィリッピーノが描いたといわれる老人
          の肖像というのが父親をモデルにしているのではないか
          と書いてありましたが、いやあこの人は年取ってもこんな
          穏やかな老人にはなっていない、もっと元気一杯遊んでい
          たに違いないと思ってしまいました(笑)

          作品としては聖母子と洗礼者ヨハネの絵が圧倒的に多く、こ
          のキリストの顔はしかめっつらしているとか、ヨハネが美少年
          でいいな、なんて不謹慎なこと友達としゃべりながら見ていま
          した。そしてチケットやパンフレットの表紙にもなっている
          「パラスとケンタウロス」は圧巻でした。いろいろな意味です
          ごい、まさにルネサンスを象徴する絵でした。ただこういう絵
          は極端な禁欲主義を貫いたサヴォナローラの目に入ったら燃や
          されていたと思うので、隠してあって無事後世まで残ってくれ
          て本当によかったです。

          メディチ家の人々の肖像画と家系図があったのにも感激しまし
          た。これらの肖像画は本などで何度も見ているので、すっかり
          知っている人の気分です。実際に会ったことはないのですが(笑)
          そして今回はギルランダイオの「聖ヤコブ、聖ステファヌス、
          聖ヒエロニムス」とフラ・バルトロメオの「沈黙を促す聖ドミニ
          クス」にとても感動してずっと見ていました。
          ステラ * 美術展 * 17:46 * comments(2) * trackbacks(0) * -

          4月23日

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            JUGEMテーマ:アート・デザイン

            今日4月23日は画家ジョセフ・ウィリアム・マロード
            ターナーの誕生日です。私がターナーの絵に出会ったの
            は2年前の秋、巨匠たちの英国水彩画展でした。それま
            で美術展に行くことはよくあってもその画家の生涯がド
            ラマチックで興味を持った(カラヴァッジョ、ゴッホな
            ど)肖像画で描かれている歴史上の人物をよく知ってい
            た(ハプスブルク家展など)という場合がほとんどで、
            まったく予備知識なく美術展にふらりと入り数枚の絵に
            一目ぼれするというのは初めての体験でした。ターナー
            の描いた水彩画にまさに一目ぼれしてその前を動けなく
            なったのです。その日帰ってすぐネットで調べたところ
            有名なあの自画像がぱっと目につき、わーかっこいいと
            これでもうターナーは私にとって最も好きな画家になり
            ました。

            ターナーの生まれた1775年というのはフランス革命
            よりも前であり、19世紀初めナポレオンの帝政時代に
            ロイヤルアカデミーの正会員になって栄光の道を歩んで
            いたというのも後から知って驚きました。最初に見た水
            彩画の印象でもっとずっと近代、私達に近い年代の人と
            思っていたからです。またちょうど300年前の1475
            年にはイタリアでミケランジェロ、メディチ家出身の教皇
            レオ10世、チェーザレ・ボルジアの3人が生まれていて
            75年という年に生まれると世紀末から次の世紀に20代
            になり、特出した人間が生まれやすい年かもしれないと
            思いました。

            水彩画と自画像に一目ぼれし(自画像は実はかなり美化さ
            れていて、他の人が描いた絵とはかなり違っているけど)
            大ファンになったので、去年の秋の「ターナー展」では
            自分が何度も行ったのはもちろん、他の人を熱心に誘った
            り行くように勧めるという布教活動もかなりしていました。
            これも自分にとって初めての経験で、こんなにしつこくこ
            だわった人は画家には他にいません。

            ターナーは若くしてロイヤルアカデミーの正会員となり、
            画家としてはきわめて順調で栄光の道を歩んでいましたが
            家庭環境は複雑でその生涯は孤独の影がつきまとっていま
            した。ターナーの母はもともと鬱の気質があり、彼の妹が
            幼くして亡くなってからはますますそれが激しく子供の世
            話もできなくなって親戚の家にしばらく預けられたほどで
            す。結局彼の母は精神病院で亡くなっています。理髪師を
            していた父は息子をとても誇りにしていましたが、満たさ
            れない寂しさというのは相当なものだったと思います。で
            もそうした孤独や母の激しい気質を持っていたからこそ、
            彼は認められて満足するのではなく生涯芸術を追求した
            その生き方にも深く感動しています。
            ステラ * 美術展 * 11:25 * comments(0) * trackbacks(0) * -

            カイユボット展

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              JUGEMテーマ:展覧会

              カイユボット展を見に行きました。正直カイユボットという
              画家についてほとんど知らないまま知り合いの方に誘われて
              行ったわけです。印象派の画家と多く交流があり、また積極的
              に印象派の絵を購入して支えたというこの画家の絵は家族や
              友人など身近な人、そして身近な場所を題材にした作品が多く
              穏やかで安心して見られる絵という印象を受けました。

              カイユボットは裕福な家に生まれているので、自分の作品を
              積極的に売ろうとはしなかったようです。弟の1人は写真家
              になるのですが、この人は最初は音楽学校に行っていました。
              芸術をたしなんでそこそこうまくなったけど天才ではなかった、
              そんな兄弟なのでしょう。兄弟は生活には困らないのでボート
              遊びや切手のコレクション、ガーデニングなどいろいろな趣味
              を一緒に楽しんでいました。ただ何一つ不自由のない金持ちの
              お坊っちゃんだったというわけではなく、別の弟が若くして病気
              で亡くなっていることもあってカイユボット自身も常に死を意識
              していたのか20代で遺言を書いて自分の作品のことを気にかけ
              40代で亡くなっています。

              印象派の絵というのは実物そっくりに描くのではなく、あくまで
              も画家が見た印象を大事にしているというイメージがあったので
              すが、カイユボットの絵はかなり細かくて写実的なものがたくさん
              ありました。写実的なんだけどどうも奥行きやものの大きさがちぐ
              はぐで遠近法にのっとってない(笑)別荘で描いた絵は印象派風
              で水面の筆のタッチが粗すぎる、などなど批評しながら見ていたの
              ですが、こんなに水面に筆の跡をくっきり残したら水に見えないで
              しょうにと粗さがししていた絵をかなり離れたところで見たらアラ
              不思議、水が光を反射して波打っているように見えてくる!印象派
              の絵は魔法のようでおもしろいです。

              でも今回の美術展で一番印象に残ったのは、カイユボットさんには
              とても申し訳ないけど、常設展の方にあったモネの「黄昏、ヴェネ
              ツィア」でした。その絵は赤、青、黄色の鮮やかな原色が使われて
              いて、睡蓮の絵などで思い浮かべるモネの絵とは全然違うのです。
              さらに私にとってヴェネツィアはターナーの絵で見慣れたおなじみ
              の場所(実際に行ったことはないけど)ヴェネツィアの絵はこうある
              べきだというのが頭の中にしっかりインプットされていて、さらに
              印象派の画家モネの絵も代表作がしっかり頭に焼きついているので
              す。だからその「黄昏、ヴェネツィア」を見た時にものすごい違和感
              と不安を感じました。よく知っていてこうあるべきだと自分の中で
              完成された世界がまったく違う色で表現されている、ヴェネツィアの
              空や運河は時間によってはこんな色に染まるのかしらととても不思議
              でその絵から眼が離せなくなり、長い間じっと見ていました。

              感動というものは、自分の思っていた通りに心地よく描かれた絵ではなか
              なか生まれないのかもしれません(でも前衛芸術的過ぎても自分との共通
              点がなくて感動できないけど)自分がこうであるとよくわかっている、こ
              うなるだろうと予想している世界で思いがけない表現をされると不安にな
              る、違和感を感じ居心地が悪くなる、そうしたひっかかりこそが感動を生み
              情熱をかきたてるのではないか、そんなことを考えさせられました。
              ステラ * 美術展 * 17:22 * comments(0) * trackbacks(0) * -

              ターナー展 4回目

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                JUGEMテーマ:展覧会

                「ターナー展」がいよいよ今月18日で終わってしまうので
                最後にもう1度と思い見てきました。4回目になりこれは美術
                展としては私の最高記録です(笑)さすがにこの回数だともう
                呆れて読む人は少ないだろうと予測して、好き勝手な感想を書
                いています。

                同じ美術展に2回行ったのは「ボルゲーゼ美術展」でした。これ
                はカラヴァッジョの「洗礼者ヨハネ」が見たくて行ったわけで、
                この絵に関しては古い映画での「カラヴァッジオ」に若き日の
                ショーンがモデルとして出ていたので鮮明な印象がありました。
                若き日のボロミアが赤いマントをつけて椅子に座っている映画の
                シーンに興奮しまくり、その印象で絵を見て「あれ、洗礼者ヨハネ
                ってこんなに若かったの?」と驚きましたが強烈な既視感があり
                ました。まあ映画のDVDでその場面を何回も見ているのであたり
                前ですけど(笑)ターナーの絵も、どこかで見たことがあるという
                既視感がすごくありますって4回も見に行けば見たことある絵ばかり
                です(笑)

                カラヴァッジョの絵はたとえて言うなら舞台演劇、実際にモデルを
                使ってそのポーズをとらせて絵を描いたようです。それに比べて
                ターナーの絵は映画的、実際にその場所に行って雰囲気を写し取る
                ことにこだわり、登場人物にはあんまりスポットをあてていません。
                主役はあくまでも景色や建物です。

                今回印象に残ったのはまず、「ダラム大聖堂の内部・・・」若い時
                の作品です。建物の内部がとにかく正確に細かく描かれていて、光
                があたった場所とそうでないところの差が見事、鉛筆と水彩だけで
                これだけの表現ができるのかと驚きました。私には絶対真似できま
                せん。

                そして「エジプトの第10の災い、幼子の虐殺」これはロイヤル
                アカデミーの正会員に選ばれたすぐ後に出展した作品です。聖書か
                ら題材を取り、大きなキャンバスに描くアカデミーにふさわしい
                作品です。やっぱりターナーの関心は人物よりも風景や建物にある
                ようで、人物は小さく描かれています。ただ人物は小さく描かれて
                いるのですが、その悲劇を人物の表情や身ぶりで表現するのではな
                く周りの景色や空の色であらわしています。そのような悲劇があった
                場所やその時の空はこんな感じだったに違いない、そう思える場面
                で、じっと見ていると子を殺された母親の叫びや悲鳴が聞こえ、死
                んだ子を連れて行きさらなる災いをもたらそうとするナズクルやオーク
                が空に待ち構えている、そんな雰囲気の絵です。もちろん実際の絵に
                そのようなファンタジー映画の化け物が描かれているわけではないの
                ですが、眼の錯覚や自分の心理状態によるものなのか、とにかく今回
                はいろいろな絵で木の後ろや海の上、空にだまし絵のようにトカゲや
                化け物の姿が浮かび、うーん、これはヤバイかもと思いましたが(笑)
                じっと見て何が浮かんでくるか試すのも楽しかったです。

                「レグルス」の光の表現、「戦争・流刑者とカサ貝」の赤と黄色、「平和
                水葬」の青と黒の使い方などターナーにしかできない表現で、本当に色と
                光が感情を持ち、エネルギーとなって迫ってくるようでした。ターナーの
                絵を見ることは私にとっては忘れることのない強烈な体験でした。
                ステラ * 美術展 * 11:06 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                ターナー展3回目

                0
                  JUGEMテーマ:展覧会

                  ターナー展、3回目はミケランジェロ展を見たついでに(という
                  かこっちが気持ちの上ではメインだったかもしれない)見てきま
                  した。

                  3回目となるとさすがにどこにどんな絵が置いてあるか大体頭に
                  入っています(笑)今回はバイロンの詩を読んだ後だったので、
                  関係のある作品を中心に見ました。

                  正直私、バイロンの生き方については全く共感できず、解説を読ん
                  だ時に「だめだ、こりゃー、いい加減にしてくれ!」と思いました。
                  次から次へといろいろな女性に手を出し、しかも不倫とか異母姉など
                  ドロドロ展開、ついでに美少年とも関係があってとまさに昼ドラ的な
                  人生なのです(笑)でもまあ大好きなターナーの愛読書ということで
                  とりあえず詩をざっと読んでみて、確かにうまいです。情景が浮かん
                  できそうな詩、というか私はもうターナーの絵の方が頭にしっかり
                  入っているので「チャイルド・ハロルドの巡礼」とか「ヴェネツィア」
                  は言葉を読むだけで絵が浮かんでしまいます。

                  そして今回またターナーの絵を前にすると今度はバイロンの詩の一部
                  が浮かんでくる(笑)完全にセットで覚えることに成功しました。今
                  の時代、イタリアを紹介するガイドブックや紀行文、さらにテレビ番組
                  なども山のようにあるけど、ターナーの生きた時代は絵や詩など限られ
                  た情報から外国の風景を想像するしかなかった、だからこそ実際の風景
                  を見た時の感動は大きいし(失望もしていた)そして描かれた絵は詩と
                  セットで印象に残る、当時のイギリスの上流階級の人はきっとこのような
                  絵を見てその美しさを褒めるだけでなく、詩についてやバイロンのスキャ
                  ンダラスな生涯について噂したのではないかと想像してみました。そして
                  ターナー自身、自分の絵がいろいろな形で話題になることを楽しんでいた
                  のではないかと思いました。ローマの大きな絵にはしっかりラファエロを
                  登場させていますし・・・

                  他に今回とても印象に残ったのは、「戦争、流刑者とカサ貝」「平和ー水葬」
                  の対になった2枚です。この絵は対になっているからこそ様々な感情を呼び起
                  こします。「戦争・・」は赤や黄色など華やかな色を使い、血や炎を連想させ
                  るのだけれど、それでも穏やかで静かです。夢や映画の中に出てくる死の場面
                  のような、激しさと鮮やかさがあるのにも関わらず痛みや音はなく静かで穏やか
                  な世界、どうしたらこんな絵が描けるのか不思議です。そして「平和ー水葬」
                  の方は静かで悲しみに満ちているのだけど音を感じました。波の音、船の汽笛
                  や煙が出る静かな音、鳥が羽ばたく音、絵でありながらその場面の音が聞こえ
                  感情が伝わり、心がざわめく・・・・見るたびに新しい発見があるので、また
                  4回目、5回目もあると思います。3回目にして初めて次回割引券というもの
                  があることも知って(少しの割引ですが)もらってきました。そしてやっぱり
                  イギリスのテート美術館に行きたいという気持ちも強くなりました。
                  ステラ * 美術展 * 12:27 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                  ミケランジェロ展

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                    JUGEMテーマ:展覧会

                    ミケランジェロ展に行ってきました。

                    今年のルネサンス三大巨匠の美術展の中で、ミケランジェロ展
                    は一番興味もあったのですが、同時に迷いも多くすぐそばを通り
                    ながらなかなか見に行かれませんでした。

                    迷いの理由としては・・・
                    ・ミケランジェロの代表作は彫刻や壁画なので持ってくることは
                     不可能で、一番見たいものはイタリアに行くしかない。
                    ・ターナー展と時期が重なり、どうしてもそっちの方へ・・・
                    ・ミケランジェロの生涯をたどるとひっそりと芸術に打ち込んでいた
                     わけでなく、歴史に登場する人物との関わりが深く濃厚で、その相手
                     の中に自分がトラウマになるほど怖れている人が複数いる。
                    ・正直ムキムキの男の人は好きでない(笑)

                    でも迷っているうちに終わってしまっては後悔するので、天気のよい
                    日を選んで思い切って行ってきました。

                    ミケランジェロ展、団体客が入っていたこともあってかなり混んでいま
                    した。予想した通りミケランジェロの彫刻作品は「階段の聖母」他数点?
                    で、主な展示品はスケッチや手紙などでした。映像でシステーナ礼拝堂
                    の壁画を近づいてじっくり見せてくれたり、実物大の「最後の審判」が
                    飾られているので、実際にローマに行く予定のある人や行ってきた人には
                    とてもよいと思います。「あそこはああだったのよー」という旅の思い出
                    話があちこちで聞こえました。

                    「階段の聖母」ミケランジェロが作った年齢を考えるとすごいです。この
                    頃はまだメディチ家のロレンツォも健在で、平和が保たれ芸術文化が華やか
                    な時だったのでしょう。

                    個人的にはミケランジェロがクレメンス7世(メディチ家、ジョヴァンニの
                    従弟にあたるジュリオ)にあてた手紙やその返事にとっても感動しました。
                    どちらもきちんとした教育を受けた人らしく細かく丁寧な文字、ミケランジェ
                    ロとレオ10世(ジョヴァンニ)は同じ家で育ったにもかかわらずあんまり
                    仲は良くなかったようですが、ジュリオの方は互いの立場が変わっていろいろ
                    あっても敬愛の気持ちはずっと続いていたのだなと感動しました。

                    「クレオパトラ」の絵は裏にびっくりしましたが、表の絵も美しいけど怖い
                    です。私はクレオパトラというよりも映画で蛇を巻き付けて登場したアレキ
                    サンダーの母オリュンピアスを連想してしまいました。蛇を巻き付けたオリュ
                    ンピアスというのは映画ではなく漫画に出てきたのかもしれませんが、いずれ
                    にせよ怖い、この絵は若い貴族の男性に贈られたようですが、裏の絵やクレオ
                    パトラという題材そのものが何を意味しているのか、うーん、気になりました。

                    迷いと葛藤があったミケランジェロ展ですが、やっぱり行ってよかったです。
                    ステラ * 美術展 * 10:04 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                    ターナー展 2回目

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                      JUGEMテーマ:展覧会

                      ターナー展、2回目見に行きました。例によってこの記事もまた
                      個人的な感想ばかりなので、学術的な批評や内容は期待しないで
                      ください。

                      前回は1人で行って講演も聴いてきたのですが、今回は芸術鑑賞は
                      好きだけどターナーについてはよく知らない、私のプログを見て興味
                      を持ったからという友人と一緒なので責任重大(笑)かなり緊張しま
                      した。ツアーの添乗員気分、いやそれよりも息子の個展を見に行く母
                      の気持でした。自分自身も実の息子も芸術とはまったく縁がなく、また
                      自分の祖先をどう辿ってもターナーとは絶対結びつかないのですが・・
                      彼の実の母親は息子の成功を知ることもなく精神病院で亡くなっています。

                      お昼すぎに待ち合わせしたのでまず軽く昼食を食べ、さっそく持っていた
                      小さな本でターナーの肖像画を紹介、「わーかっこいい、かなりイケメン
                      だったのね」の言葉に心の中でやったー!と叫び、「でもあの自画像はアカ
                      デミーを意識してかなり美化したみたい、実物はこんな感じかも」本の中の
                      他の人が描いた絵を見せる、いやはやホント息子を紹介する母の気分です。
                      まずはとっておきの1枚という写真を見せ、その後にそれほどでもないと別
                      のも見せる、やっぱり最初に見せたのが印象に残るのです。

                      初期の作品は最初にしっかり年齢を計算しておいて、「この絵はこんな若い時
                      描いたのよー」とか「この絵は同じ年のお友達と共同作業で描いた模写なの」
                      なんて感じで息子自慢です。一緒に行った方はかなり美術に詳しいので、画材
                      に特に注目し、「水彩画なのに油絵のように描いていて、逆に大きな油絵が水彩
                      画のように描かれている!」と感動してました。

                      今回も強く印象に残ったのは前回と同じ「レグルス」、それから「ヴァティカン
                      から望むローマ・・・」です。ラファエロの顔がある漫画の登場人物にそっくり
                      だと盛り上がってしまいました(笑)この絵は最初からアカデミーに出すことを
                      意識して描かれたのでしょう。とにかく大きく豪華で美しい、これぞアカデミー
                      という見本のような絵です。青空の美しさにイタリアに行ったことのあるその友人
                      に聞いたところ、確かにローマの空は晴れていればあのような色だそうです。そし
                      て、すぐそばにあり絵にもその形がわかるようはっきり描かれているサン・タン
                      ジェロ城、ここは私の好きな歴史上の人物複数が幽閉され、拷問されたりその後
                      処刑されたりしたといういわくつきの場所です。こんなにも美しい空の下、絶頂期
                      のラファエロが見た光景(実際にそこでラファエロが絵を描いたわけではないが)
                      のすぐそばで拷問に苦しんだ人がいた、「レグルス」と同じように美しい光のすぐ
                      そばにあった深い影、痛みがキリキリと感じられ息苦しくなりました。絵を見て
                      その描かれた場所のエピソードをよく知っているからという理由もあるのですけど
                      こんなにも感情が揺さぶられるというのはターナーが初めてですし、おそらくこの
                      先もまずないと思います。

                      ターナーの絵はとにかく技術があるので美術の教科書に出てくるような絵が多いの
                      ですが、個人展でアカデミーに出展したものや売れた絵以外のスケッチや下絵など
                      もたくさん展示してあって興味深かったです。海戦や難破船など海に関する下絵が
                      多く、この絵は王室から注文されたけど結局気に入られなかったとか、下絵を見せた
                      段階で注文主から断られた、なんていう説明が書いてありました。ターナーは若くし
                      てロイヤルアカデミーの正会員になり、絵は高く売れて画家としては大成功したけど
                      それでも自分が本当に描きたいと思う絵(嵐の海や戦争の悲惨さ、難破船など)と
                      王室や注文者が欲しがる絵(勝利をたたえる、静かな海と美しい船)が大きな隔たり
                      があって、葛藤を続けていたのかなとも思いました。

                      私はもちろん技巧をこらした美しい絵に感動するのですが、ターナー展では色の始まり
                      習作のような作品を見るのもとても楽しみです。これらの絵を見ると私にも描けそう、
                      という気がしてくる(笑)そして描きたいなあという気持ちになるのです。子供の頃
                      水彩絵の具で適当に色を混ぜ、紙に描くのが楽しくてたまらなかったことを思い出し
                      ました。絵で大成功をおさめた彼が、自宅で1人売るということなどまったく考えず
                      に雨や光、雲を表現しようと無心に筆を動かしていた、絵を描くこと、表現すること
                      の根源的な喜びを教えられ、涙が出そうになりました。やっぱりターナーは私にとって
                      特別な画家です。
                      ステラ * 美術展 * 11:27 * comments(2) * trackbacks(0) * -

                      ターナー展

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                        JUGEMテーマ:展覧会

                        10月8日から上野の東京都美術館で行われているターナー展を
                        初日に行き、テート美術館の方の記念講演も聞いてきました。

                        ターナーに関しては去年「巨匠たちの英国水彩画展」を見て以来
                        大ファンになっていたので、初日がちょうど仕事も休みというこ
                        ともあってさっそく見に行ったわけです。去年水彩画展を見た時
                        に正直言ってターナーの晩年の水彩画を見て「私にも描けそう」
                        なんて思ってしまいました。その後もう1度若い頃の作品を見て
                        その細かさにこりゃ無理だと諦めたわけですが(笑)今まで美術展
                        に行って感動したことはあっても自分も描きたい!と強く思った
                        のはその水彩画展が初めてだったので、ターナーは私にとって好きな
                        画家以上の特別な存在、人生を変えた人になったわけです。そして
                        いつかはターナーの絵を見るためだけでもロンドンに行きたいと恋
                        焦がれていたので、東京で見られるとあって前から楽しみにしてい
                        ました。

                        いつものことながら私のプログはまったく個人的な感想なので学術的
                        な文章や批評は期待しないでください。さらに今回は前からの知識と
                        展覧会で書いてあったこと、講演で聞いた内容がごちゃまぜになって
                        います。講演はちょうどランチを食べた後のお昼寝タイムに英語のス
                        ピーチ(通訳はつくが)というのはとっても眠くなるのですが、頑張
                        って聞いていました。ターナーの評価について、彼は生きていた時代
                        から様々な批評を呼び、そして死後も印象派や現代美術の人が突然
                        先駆者として讃えるなど、とにかく話題が絶えない人のようでした。

                        美術展はターナーの初期の作品から順番に並べられていて、とてもわ
                        かりやすかったです。初期の10代から20代前半の絵でもとにかく
                        うまい、最初にこっちを見ていたら絶対自分にも描けそうなんて思わな
                        かったでしょう(笑)彼は理髪店を経営していたお父さんとはとても仲
                        がよかったのですが、お母さんが神経症になっていてターナーの妹にな
                        る女の子が幼くして亡くなった後はいっそうその傾向が強くなり、感情
                        のままに怒られることもよくあったそうです。大変な状況の中で、お父
                        さんは息子が上手な絵を描くことに希望を見出し、理髪店に飾ってお客
                        さんに自慢したのかなと想像しました。

                        初期の絵で印象深かったのは「バターミア湖、クロマックウォーターの
                        一部、カンバーランド、にわか雨」(ターナーの作品はとにかくタイトル
                        が長くてパンフレットを見ないと書けない)です。23歳の時の作品で
                        ロイヤル・アカデミーに出展しています。全体的に暗い色調ながら湖の
                        様子や遠くの山が丁寧に描かれ、空や雲の様子、弓のような虹はさすが
                        です。現実の風景なのだけど物語やファンタジーの一場面にも思える、
                        風景画でありながら激しく心を揺さぶられました。

                        紹介したい絵はたくさんあるのですが、今回一番衝撃を受けたのは1828
                        年ローマで展示、1837年加筆とガイドブックに書いてあった「レグルス」
                        です。一見まばゆい光に包まれた明るく美しい絵なのですが、そばにある
                        説明を読んでショックをうけました。ローマの将軍レグルスはカルタゴで
                        捕虜になり、両国の和平をとりもつように指示されたもののローマの元老院
                        に提案を拒否するように助言したためカルタゴで拷問され殺された、その
                        時レグルスは暗い地下牢に閉じ込められ瞼を切り取られ、明るいところに連れ
                        だされて瞬きができないために失明したというのです。暗い地下牢から出され
                        て失明する直前に見たまばゆい光、光というものが暗闇に突き落とす恐ろしい
                        凶器となっているその話もショックだったし、その瞬間を絵で表現したター
                        ナーにも驚きました。説明を読んでもう一度絵を見ると、確かに明るいだけで
                        はない恐ろしい威力を持った光なのです。この衝撃は本で見た時は感じられ
                        なかったので、やっぱり本物はすごい、と心の底から思いました。この絵を
                        ターナーはずっと後になって加筆しているので、やっぱり画家本人もこだわ
                        った1枚だったのでしょう。

                        他にも印象的な絵はたくさんあったのですが、長くなりそうなので今回はここ
                        で終わりにします。去年水彩画展でターナーの絵を見た時は「自分も描きたい!」
                        と思ったのですが、今回は「誰かに伝えたい!」という気持ちを強く感じました。
                        美術展で1回自分が見ただけで満足せず、他の人と一緒に見てその感想を聞きたい
                        とこんなに強く感じたのも初めてなので、やっぱりターナーは私にとって特別な
                        存在です。
                        ステラ * 美術展 * 10:58 * comments(0) * trackbacks(0) * -
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