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    天国の囚人

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      JUGEMテーマ:読書

       

      「天国の囚人」日本語訳の文庫本を読み終わりました。

      このシリーズは前の2作もそうでしたが途中から先が

      気になってスピードアップする、ページをめくる手が

      止まらなくなりあっという間に読み終わりました。前

      に英語版で読んだ時はこうはいきません。久しぶりに

      夢中になって本を読むという快感を味わいました。

       

      主要登場人物の牢獄体験が大きなテーマになっている

      ので決して明るい話ではありません。でもフェルミンの

      性格やダニエルとの友情が大きな救いとなっています。

      この本でフェルミンがどのような気持ちでダニエルに

      接していたかがよくわかり、あらためてフェルミンは

      いい人だなと思いました。また普段冷静で感情を抑えて

      いるお父さんの深い悲しみというのも胸に突き刺さり

      ました。小説は事実そのままではないけど登場人物の

      感情を追体験することで、遠い国の出来事がすぐ目の前

      で起きたことのようにリアルに感じられる、スペインの

      内戦や独裁政権はこんなにも人の心に傷を残したのかと

      驚きました。

       

      英語で読んだ時は牢獄部分でひっかかってなかなか先

      に進めず絶望的になりましたが、日本語だとすらっと

      読めてしまいました。また会話などもすぐに理解でき

      て笑える、こんなに笑える部分もたくさんあったのか

      と驚きました(会話を読んでいて笑えないというのは

      それだけ自分の英語力が低いということを暴露してい

      ることになりますが)牢獄の描写は1つ1つの単語が

      強烈で臭いや雰囲気をリアルに感じてぞっとしました

      が(英語版を読んだ時に)日本語だと言葉の流れにそ

      って読んでいくのでそれほど驚かない、強烈な言葉と

      いうのは語学力に関係なく心に響くものだと思いまし

      た。

       

      シリーズの3作目なので謎も深まっています。「天使

      のゲームでの主人公マルティンは結局何者でどうなった

      のか、ダニエルとの関係はなど、4作目ですべての謎が

      明らかになるのでしょう。この本は読んで感動して自分

      の中にとどめておきたいというよりも、誰かと話して

      感動を分かち合いたいという気分にさせる不思議な魅力

      があります。4作目が発売される前にぜひ他の人の感想

      や予想を聞いてみたいです。

      ステラ * 読書 * 21:05 * comments(0) * trackbacks(0) * -

      英語の本と日本語訳

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        JUGEMテーマ:読書

         

        「天国の囚人」日本語訳の文庫本を読みました。

         

        「風の影」から始まる「忘れられた本の墓場」シリーズ

        の3作目です。この本は前に英訳で読んだのですが、たま

        たま本屋で文庫本を見つけたので購入しました。前の2作

        は文庫本は上下に分かれていましたが、「天国の囚人」は

        1冊だけでした。

         

        英語で読んだ時は数カ月かかったのですが(辞書を使って

        なんとか読める位の英語力だから)日本語の文庫本ならす

        ぐに半分ほど読めてしまいました。タイトルが示すように

        この本は主要登場人物の牢獄での体験が大きなテーマにな

        っています。英語版で読んだ時は1日に数ページしか進ま

        ないので牢獄からちっとも出られない、すごく苦労した記憶

        があります。でも日本語で読むとどんどん進む、牢獄体験の

        部分もすぐ終わってしまいました。

         

        英語で読んだ時はとにかく牢獄の描写が強烈で印象に残って

        いた(トラウマになるくらい)のですが、日本語だとダニエル

        とフェルミンのしゃれた会話がいいなあと、同じ本でも記憶に

        残る部分が全く違いました。まあこれは私が英語ができなくて

        なかなか進まなかったせいもあり、スラスラ読める人だったら

        全く違う感想を持つかもしれません。母国語、つまり普通に

        小説を読む場合は自然に人物を想像して会話の雰囲気を楽しむ

        ことができる、でも外国語で本を読むと強烈な言葉や環境の

        描写が印象に残ってそこから言葉を1つ1つ確かめながら読

        むことになります。住み慣れた町なら何も考えずに自然に歩く

        ことができるけど、初めての場所や外国だとそうはいかずに

        見るものすべてが強烈に印象に残る、それと同じことが本を

        読む場合もあって、母国語と外国語では同じ本でもこんなに

        印象が違うのかとびっくりしました。

         

        日本語訳の文庫本で読んだら牢獄部分もすぐ終わってしまった

        つまり登場人物の境遇や心情にとことん近づきたいと思ったら

        あえて外国語の本を読んだ方がいいのかもしれません。母国語

        だとスラスラ読めるけどさらっと流してしまい、好きなところ

        だけ印象に残るということもあります。ただ普通にちょっと本

        を読む場合は母国語、日本語訳で十分だとも思います。そして

        何度も読みたいお気に入りの本があるなら、最初に日本語で暗記

        するくらい読みこんでその後で外国語で書かれたものを読んで

        暗記すると語学の勉強に役立つと思いました。

        ステラ * 読書 * 21:06 * comments(0) * trackbacks(0) * -

        バスク・モンドラゴン(2)

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          JUGEMテーマ:読書

          「バスク・モンドラゴン、協同組合の町から」
                      石塚秀雄著

          という本を読み終わりました。この本を読んだきっか
          けは、仕事の研修で協同組合に関するビデオを見ている
          中でスペインのバスク地方が出てきたので興味を持って
          調べ、本にたどりつきました。今から20年以上前に書
          かれているので、バスク地方の状況や組合、企業グループ
          の規模などはかなり変わっていると思いますが、それでも
          さまざまなことを考えるよいきっかけを与えてくれた本で
          した。

          最初モンドラゴンの町の様子が書かれている部分を読んだ
          時、あるファンタジー映画の場面が思い浮かびました。町
          の名前からしてモンドラゴン、龍の山という意味で村人が
          協力してドラゴンと戦ったという伝説が残っている、さら
          にバスク地方には人類最古の遺跡とも言える洞窟壁画がた
          くさんあって、バスク語は他のヨーロッパやアジアの言語
          とは共通点がなくバスク人がどこからやってきたかもよく
          わかっていない、鉄鉱石の採れる山があって昔から銃剣や
          武具が作られていた、などということがロマンをかきたて
          くれます。さらに村人が協力するシステムが昔からあった
          こと、みんなで集まってごちそうを作って食べる風習があ
          ることなどがまさに映画に出てくる村を連想させてくれる
          のです。そしてファンタジー的な町は1人の神父の献身的
          な努力によって協同組合という新しい形での働き方で次々
          と工場ができ発展して町に住む人は豊かになっていく、そ
          の町では教育や余暇を楽しむスポーツ、音楽が大切にされ
          老人や女性も働きやすく、さらには精神病院(アルコール
          依存症の患者が多いらしい)でも患者が人間らしい生活が
          できるよう注意がはらわれている、現代のおとぎ話、理想
          郷のようでした。

          けれども後半部分を読み進めていくうちにその神父が体験
          したこと、そしてバスク地方の厳しい現実が見えてきます。
          その人は3歳の時に事故で片方の目を失明し、神学校で学
          んでいる間にスペイン内戦が始まり反フランコ側で従軍記
          者として戦場に行き、捕えられます。一緒に捕まった仲間
          は銃殺され、内戦やその後の独裁政権の中で周りの聖職者
          や一般市民も多数殺されるという経験をしています。モン
          ドラゴンの町に副司祭として来て荒廃した町の様子に心を
          痛め、技術者を育てることで町の復興を目指し、その後協同
          組合という形での働き方を提案して工場が増え続け、スペ
          インでも有数の大きな企業グループとなっていきます。

          内戦と独裁政権の中でバスク地方は独立運動が高まり、組織
          は分裂を繰り返して過激になっていきます。ファンタジーや
          おとぎ話ではドラゴンや悪代官をやっつけるところで物語は
          終わっていますが、現実世界ではただ悪者を倒せばいいという
          わけにはいかず、最初は独立や自由を求めての戦いがいつの
          まにか過激な思想を持つ無差別テロに変わっていきます。大
          国に支配された歴史を持つ国や地域ほど今度は暴力で奪い返そ
          うと過激になって極端な独裁やテロを生み出してしまいます。

          モンドラゴンで協同組合を作り指導してきた神父も独裁政権
          やテロの影響が強い時代と地域で生きていましたが、一貫して
          暴力を否定し民主主義を守ろうとしました。それができたの
          は思想と宗教からでした。正直言って私はスペインの歴史の中
          で宗教、カトリックは異端審問やユダヤ人の迫害などでかなり
          酷いことをしているとあまりよい印象は持っていませんでした。
          でもそれは宗教そのものが悪いのではなく、自己の利益を守り
          都合の悪い者を迫害するために宗教を利用してきた人間が悪い
          だけ、どの宗教もそれができた時代のもともとの考えでは他人
          や自分自身を傷つけることを何よりも否定していたのではない
          かと思います。

          行き、
          ステラ * 読書 * 10:04 * comments(0) * trackbacks(0) * -

          バスク・モンドラゴン

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            JUGEMテーマ:読書

            「バスク・モンドラゴン、協同組合の町から」
                         石塚秀雄著
            という本を読み始めました。きっかけは仕事の
            研修で見たビデオでした。私はNPO法人で働いて
            いて、そこの団体の理念である「共同労働」とい
            う言葉は研修でよく聞いていました。ただ正直な
            ところ理念に魅かれてその団体で働き始めたわけ
            ではなく家の近くで仕事内容が魅力的だったから
            働いていたわけであり、あんまり共同労働という
            ことは意識していませんでした。でも研修のための
            ビデオを数十人の人と一緒にぼんやり見ていたら
            突然スペイン北部の話しになったので目が覚めま
            した(笑)懐かしい風景や街並みが続き(行ったこ
            とないけど)インタビューで話している人がかっこ
            いい!すっかり映画の気分です。そこで出てきた
            「モンドラゴン」という名前が気になっていろいろ
            調べたところ、世界で一番大きく成功している共同
            組合の企業で、内戦後の荒廃した町の様子に心を痛
            めた1人の神父が町の復興のために技術専門学校を
            作ったところから始まったと知って感激し、本を捜
            して購入したわけです。

            この本が出版されたのは1991年、今から20年以上
            前で世界情勢はその頃と大きく変わっています。スペ
            インのバスク地方という昔から地域の繋がりが強い地方
            だからこそこのような形の企業が発展したのであって
            どの国でも取り入れられうまくいくというわけでもな
            いでしょう。にも関わらずこの本に書かれた町の様子
            や共同労働という形での働き方は1つの理想を実現して
            いて強く感動しました。

            「モンドラゴン」という町の名前は「竜の山」という
            意味です。竜がいる山、鉄鉱石がとれる場所、固い絆
            で結ばれている町の人々、ファンタジー映画に出て来る
            ような地域です。映画でのドラゴンやナズクルは現実で
            は悪徳領主や独裁政権の支配だったのでしょう。特別な
            資源がない山の中にある小さな町に赴任してきた若き
            神父アリスメンディアリエタは町のために生涯を支えま
            す。

            彼は子供の頃怪我をして片方の目を失明し、また内戦の
            時には従軍記者として戦場に行き投獄された経験を持って
            います。釈放されて神学校にもどり、副司祭としてモン
            ドラゴンに来ます。最初に寄付金を集めて技術専門学校を
            作り、その卒業生がストーブを作る工場を作った時共同
            経営という形にするようアドバイスをします。資本主義
            でも共産主義でもない、働く人が皆で出資し経営に加わり
            利益を分配して給料を出す共同労働です。その後共同労働
            の形での工場や企業は増え、スペインだけでなく世界で
            注目される共同組合となります。

            その指導者となったアリスメンディアリエタ神父、本を
            読むまではさぞかしすごいカリスマ性のある人だと思って
            いました。でも話すのが下手で教会の説教で信者をがっか
            りさせた、自分が作った学校で哲学や社会学を教えたが
            授業は退屈だった、自分が重要な役職につくことは決して
            なく、それでも会議には自由に参加して意見を述べたが
            たいがい無視された、などという意外なエピソードが書い
            てありました。カリスマとして自分の考えで人をまとめる
            のではなくアドバイスを言うだけ、自分が頂点に立つこと
            は決してなかったようです。頂点には立たないけどとても
            慕われていました。

            国のトップから町内会、PTAの役員まで自分の利益や主張に
            こだわって国民や会員の幸せなどあんまり考えない指導者
            に日々接してうんざりしている中、協同組合という新しい
            働き方の団体を作ったこの神父は指導者としても理想的だ
            ったと思いました。
            ステラ * 読書 * 22:10 * comments(0) * trackbacks(0) * -

            トールキンの指輪物語世界

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              JUGEMテーマ:読書

              「トールキンの指輪物語世界」という本を読みました。正直私は指輪物語
              やハリーポッターに関しては解説本をかなり読んでいて、原作をきっちり
              読むのは大変そうだから映画や解説本で内容を知っておこう、というところ
              があります。原作もいちおう読んではいるのですが、細かくきっちりとでは
              ありません。

              そんな軽い気持ちで読み始めた本ですが、思いのほか作者の考えや指輪物語
              の世界観がきっちり書かれていて興味深い内容でした。作者トールキンは
              ファンタジー、空想の物語を書こうとしたのではなく、歴史学者が遺跡のかけ
              らから古代の世界を蘇らせるのと同じように、比較言語学、言葉を使って失わ
              れた神話を蘇らそうとした、私達が考える自由な想像力を使ってファンタジー
              小説を書くというのとは全く違う作業から「指輪物語」は生まれたということ
              に驚きました。今の時代いろいろな情報や本があふれているので、逆にこうした
              地道な作業を積み重ねることで物語を作る、本を書くということが不可能になっ
              ていると思います。

              トールキンの言葉や名前に対するこだわりは強く、登場人物はもちろん敵役の
              オークやドラゴンにも名前がついています。スマウグというのはいかにもドラゴン
              らしい響きですが、古い英語にSmugan(穴に体をねじこむ)というのがあって
              意味からもこれ以上ないほどドラゴンにぴったりです。ホビットはホルビトラ(穴
              の家を造る者)、バギンズ(食事の間の午後のお茶)など意味と名前が見事に合って
              います。そしてビルボと言う名前は突き刺すための短剣(レピア)が語源でこの言葉
              は16世紀後半、刀剣の生産で有名なスペインの街ビルバオにさかのぼると書いて
              ありました。旅行雑誌で前衛的な建物の美術館と大きなクモのオブジェが紹介され
              ていて強い印象を受け、いつか行ってみたいと憧れるようになったスペイン北部バ
              スク地方の街ビルバオ、その名前がホビットの主人公と関係があると知って深い感動
              を覚えました。

              他にもアトランティス伝説とヌメノールの繋がりが書かれていたりと、よく知って
              いるつもりだった指輪物語の世界が本当に多くの神話や伝説と関係が深いことが
              わかって驚きました。そしてこうした伝説や神話は混乱して天変地異も多い今の
              時代にこそ必要とされ、トールキンはそれを先取りして物語を作った預言者かもし
              れない、そんなことを考えました。
              ステラ * 読書 * 10:06 * comments(0) * trackbacks(0) * -

              ルネサンスの歴史(4)

              0
                JUGEMテーマ:読書

                「ルネサンスの歴史」という本を読み終わりました。この本は
                かなり辛口なので正直頭にきたりいらっとしたりもしましたが
                それでも全部通して読むとこの時代に対する考えが変わる、目
                から鱗が落ちる体験をしました。

                ボルジア家やメディチ家など漫画で顔なじみになっている人や
                教皇、宗教改革者についてのページは知っていることも多く
                興味深く読めました。逆に詩人とか、マントヴァ、ウルビーノ
                などでの華やかな宮廷文化のあたりは、どうも自分とは縁のな
                い世界と思ってしまうのか、読んでいてつまらなかったです。
                同じ時代でもすごく魅かれる部分と全く合わないと感じる部分
                があるようです。

                宗教改革のところでは、教義の違いとは別の改革者の性格や
                その国の状況によって結果が大きく変わるということがわか
                って驚きました。改革が成功するかどうかはその教えが正し
                いかどうかよりも政治や国の違い、経済状況など運によると
                ころも大きい(運がいいということが神に愛されていること
                だと言うかもしれないけど)と思いました。ヒプノセラピー
                で過去世を見たり幼児退行をすると、それまで自分の信念と
                して守ってきたものが、実は家族や周りの影響で作られたも
                のでそこまで頑なに守る必要がないとわかって驚きますが、
                それと同じことを人類の歴史で体験したような気分です。
                歴史として語られてきたことや今の世界の状況、当然のこと
                として考えている信念が実は500年前の政治や経済、権力
                者の都合や思惑で作られたものだったならどうなるのか。
                ちょうど今、世界で深刻な災害や事件がが次々と起きている
                ので、作られた信念や常識を捨ててもう1度考えなければい
                けない時代がきているのではないかと思いました。
                ステラ * 読書 * 13:56 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                ルネサンスの歴史(3)

                0
                  JUGEMテーマ:読書

                  「ルネサンスの歴史」下巻の途中まで読みました。数年前購入した
                  時は、あまりの辛口毒舌に部分的に読んだだけでやめてしまった問題
                  の下巻ですが(笑)今回は思いのほかすんなり読めました。そして
                  宗教改革がどのようなものだったか理解できました。本を読むには
                  タイミングが大事で、この数年の間にルネサンス関係の本はかなり読
                  んできて、その時代が華やかな文化だけでない残酷で混沌とした時代
                  だったというのがわかってきたからだと思います。

                  同じ宗教関係の人物でも2千年前のイエス・キリストや12使徒など
                  は伝説に包まれているのに比べ、ルネサンスや宗教改革の時代になる
                  とある程度生涯の記録や著書が残っているので現実的です。そうした
                  現実的な宗教改革の人、ルターやカルヴァンなどについて、この本は
                  さらに一歩進んで週刊誌的に実生活(子だくさんだったとかどんな病気
                  を持っていたのかなど)細かく書いてありました。こういう本は信仰心
                  を持った人だと反発を感じるかもしれませんが、私にとってはわかりや
                  すく、宗教改革が歴史に与えた影響などがよく理解できました。

                  以下、本のまとめと言うよりも本を読んで考えたことです。

                  カトリックが教会、教皇、修道会など組織的に発展してきたのに比べ
                  プロテスタントは聖書を中心に神と直接対話しようとしている。カトリ
                  ックの教会だと必ず聖遺物があるがそうしたものがプロテスタントの
                  教会にはなく、また聖職者の結婚も認められている。ルターもカルヴァン
                  も神の予定調和説をとっていて、あらかじめ救われる者は決まっているが
                  自分が救われると信じて仕事に励むことが大切である。この考えによって
                  資本主義は発展し、アメリカ大陸は開拓されたが、ルターはユダヤ人を
                  憎んで魔女狩りなども積極的に行っていたし、カルヴァンも反対者は徹底的
                  に弾圧した、自分が救われると信じているから他の宗教や民族の者に対して
                  情け容赦なく、それがユダヤ人の虐殺や今日の経済格差、宗教問題にもつな
                  がっているのではないか、そんなことを思いました。今、資本主義の考えだ
                  けでは解決できない社会問題があり(子供の貧困や福祉、最貧国をどう援助
                  するかなど)世界に目を向ければ宗教の違いによる対立があります。今日の
                  問題を考えるのに、混沌とした時代に生まれたたくさんの天才、思想家の
                  生き方がヒントになるのではと思いました。
                  ステラ * 読書 * 18:30 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                  ルネサンスの歴史(2)

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                    JUGEMテーマ:読書

                    「ルネサンスの歴史」という本の上巻を途切れ途切れながら
                    も読み終わりました。この本は以前下巻の興味ある人物のとこ
                    ろだけ読んでみたら容赦ない毒舌や皮肉にショックを受け、途中
                    でやめてしまったといういわくつきのものです(笑)その時に
                    比べて大分神経が太くなったのか、上巻も毒舌や残酷描写がす
                    ごいけどすんなり読むことができました。

                    この本は若い人、繊細な人にはお勧めできませんが、ある程度
                    歴史を知っている人なら興味深く読めるかもしれません。有名な
                    詩人や権力者が容赦ない批判や毒舌に晒されていて、そこまで言
                    わなくてもとショックを受けたりもしますが。逆にボルジア家の
                    ところはすごく好意的かも、と思ってしまいました。スキャンダル
                    の内容がいろいろ知られていていくら毒舌の作者でもそれ以上書く
                    ことがなかったのかもしれません。

                    ルネサンスの美しく華やかなイメージは見事に壊されます。その
                    前の時代にはペストがはやり、イタリアは統一国家にはならず都市
                    国家同士の小競り合いが絶えない、さらに同じ都市の中で教皇派と
                    皇帝派に分かれていて、信仰心が厚いから教皇派になるのではなく
                    ただ皇帝派に反対したかったからとか、本当にごちゃごちゃしてい
                    ます。そして権力を握った者が反対勢力や謀反を起こした者に対する
                    報復もすさまじい、さらに異端者の処刑もいたるところで行われて
                    いて、地獄のような光景がいたるところで見られたのではないかと
                    思います。ヒューマニズムといっても個人の人権や命が大切にされた
                    わけではなく死がいたるところにあって混乱を極めた、でもそういう
                    時代があってまだ混乱が続いていた時代だからこそ多くの天才が生まれ
                    今日に残る芸術作品が数多く作られたのかもしれません。ぬるま湯の
                    ような時代では天才は生まれにくいのかもしれない、そんなことを考え
                    ました。

                    死がいたるところにある残酷な時代だからこそ、異端と言われる宗派
                    に属し信仰を守り続ける人が多くいたのかもしれません。もともとキリ
                    スト教は初期は激しい弾圧を受け多くの殉教者が出ているので、異端と
                    言われてもそれを信じている人にはそれが唯一の救いの道なので信仰を
                    捨てなかったのでしょう。残酷さと混乱、古典への憧れや熱狂、教会の
                    腐敗と新たな信仰を求める力、いろいろなエネルギーが渦巻いてぶつかり
                    あっていた激しい時代がルネサンスだった、この本を読んでそう考える
                    ようになりました。
                    ステラ * 読書 * 10:06 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                    エル・スール(本)

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                      JUGEMテーマ:読書

                      「エル・スール」という本を読みました。20年以上前に同じ
                      名前の映画が公開され、私は見てはいないのですが同じ監督の
                      「みつばちのささやき」と一緒にタイトルが印象に残ってずっと
                      DVDで見たいと思っていました。その原作本です。

                      前に読んでいた「海のカテドラル」これは下巻の半分、全体の
                      四分の三まで読んだところで返却してクライマックスはまだ読
                      んでいません。これはいずれスペイン語で読んだ時に結末がわか
                      るよう楽しみにとっておこうと思ってあえてそうしたのですが、
                      果たしてスペイン語で小説を読めるようになる日が来るのか、わ
                      かりません(笑)

                      「エル・スール」の本はとても短く、すぐに読めてしまいました。
                      15歳の少女アドリアナの回想として書かれています。彼女の父
                      はフランス語教師をしながら、振り子を使って捜し物や水脈を見
                      つけるという特技を持っている魔術師でした。父はまたカトリック
                      教会でのしきたりや行事を嫌って母と対立し、アドリアナは10歳
                      位まで学校にも行けず人里離れた家で孤独でした。教師だった母は
                      独裁政権の中仕事を失い、お手伝いさんを雇うほど裕福で暮らしに
                      不自由はないものの満たされない日々を送っていました。互いに
                      向きあうことができず無関心を装うしかない息が詰まるような家族
                      関係が美しく詩的な文章でつづられています。

                      アドリアナは母よりも父の方に親しみを持っていて、振り子の使い方
                      を教わったりもします。けれどもやがてその関係もうまくいかなくな
                      り家族はそれぞれの孤独を抱え、父の自殺という衝撃的な出来事が起
                      きます。彼女は父の生家がある南の地方へ行って、父が好きだった女
                      の人とその息子に会います。でもそれで事件が起きるわけではなく、
                      淡々と出来事が述べられているだけで父がなぜ自殺したのか詳しくは
                      述べられていません。

                      スペインの小説や映画を見ると中世の異端審問と近現代の独裁政権の
                      影は避けては通れない、必ずどちらかが深くかかわって主人公の人生
                      を大きく変えているようにも思いました。深い影や闇、でもそれが魅力
                      にもなっているのでしょう。そして運命に翻弄されながらもその中で
                      生きる強さも感じました。

                      今の日本は結婚も離婚も自由にできるようになっていますが、それで
                      もタブーはまだ強く、互いに関心はなくなっている、あるいは傷つけあ
                      うだけの関係になっていても家族という形にしがみついたり、あるいは
                      そうした関係から抜け出すために不倫などにのめり込んだりということが
                      多くあるようにも思います。自分の感情にふたをして、なかったことに
                      してやり過ごす、そして互いを縛り不幸になっている例がたくさんあり
                      ます。アドリアナのお父さんは振り子を使って水脈を見つけることがで
                      きました。神経を研ぎ澄ませて何かを捜すことは、同時に自分の心を見つ
                      めることに繋がったのでしょう。南での生活を捨てて北の地方で新しい
                      家族を作り仕事をしてきたが、本当にやりたかったこと、愛する人は南
                      にいた、そうした感情の水脈を見つけることは、もしかしたら苦しみが
                      増すばかりで幸せにはなれないかもしれないけど、それでも大切なこと
                      この本を読んでそんなことを考えました。
                      ステラ * 読書 * 20:53 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                      海のカテドラル(4)

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                        JUGEMテーマ:読書

                        「海のカテドラル」下巻の半分ぐらいまで読み終わりました。
                        この部分は興味深い内容が多く、どんどん読み進められました。

                        主人公アルナウはペストが原因で暴動が起きた時ユダヤ人の子供
                        を助けたことがきっかけでユダヤ人の両替商と親しくなり、自分
                        が使っている優秀な奴隷を譲るから同じ商売をやってもうければ
                        いいと勧められます。最初は気がのらないのですが、イスラム教徒
                        の奴隷が商売のやり方や取引先をよく知っているので、アドバイス
                        に従うだけでどんどん繁盛していきます。ちょうど美術展でフィレ
                        ンツェの金貨や為替を見て、国際的に信用のおける硬貨を作り続ける
                        ことがどれだけその都市の発展に役立つか、さらに交換の仕組みな
                        どもわかっていたので面白く読めました。そしてアルナウはペスト
                        で家族を失った恩人の娘を養女として引き取り、イスラム教徒の
                        奴隷と3人で血のつながりはないけど家族のように暮らし始めます。
                        立場や身分をこえた友情や絆が書かれているので、このあたりは
                        とても気分良く読むことができました。

                        けれどもやがて平和な暮らしへの侵入者が現れます。アルナウの子供
                        の時の友人で兄弟のように一緒に暮らしたジュアンが12年ぶりに
                        バルセロナに戻ってきます。アルナウにとっては大事な弟ですが、ド
                        メニコ会修道士のジュアンは黒い僧衣を着て気難しく、自分のことを
                        師をつけて呼べとか口うるさい、美しく成長した養女のマールやアド
                        バイザーとして信頼を得ていた男にとっては煙たい存在です。さらに
                        アルナウが戦で手柄を立てたことで王に気に入られ、王の養女と結婚
                        することになるので、話はますますややこしくなります。アルナウを
                        中心に養女と妻という女性2人が争い、さらに家族のように暮らして
                        きた奴隷と離れたところで勉強してきた修道士の弟、男2人の争いも
                        あります。嫉妬や陰謀がふくらんでややっこしい関係になります。

                        その後ジュアンはバルセロナを離れて異端審問官になるのですが、こ
                        のジュアンという人物の描き方がさすがだと思いました。彼はアルナウ
                        と同じように幼い頃非常に悲惨な境遇に置かれ、母の不幸も直接見てい
                        ます。それでもそういう出来事に蓋をして「なかったこと」にし、ひた
                        すら勉強に励んで神学校の優等生になりドメニコ会の修道士になります。
                        修道士となって遠く離れたボローニャの大学で勉学と修業に励む日々、
                        そのまま離れていればよかったのでしょうが、バルセロナに戻ってきて
                        かっては同じような境遇だった兄アルナウが裕福になり家族のような者
                        と幸せに暮らしている、成功を喜ぶと同時に激しい嫉妬も感じます。自
                        分が世俗の幸せをすべて捨てて修業に励んでいるのにいまだ神には近づ
                        けない、そうでない生き方を選んだ兄の方が子供の時も今もよほど神の
                        そばにいて声を聞き認められている、それが許せないのです。それでも
                        感情を押し殺し、今度は異端審問官という仕事に生きがいを見出します。
                        カタルーニャ地方はフランスに近く異端の思想が入りやすい場所、そこ
                        での取り締まりは簡単に異端者を見つけられます。異端審問官が村へ
                        行けば皆怖れてかしこまり、最大の敬語を使ってもてなします。子供の
                        頃惨めな境遇だったのがここでは怖れ敬われる、しかもそれは神の道に
                        近づく正しい行い、これでは罪びとや異端者を見つける仕事に邁進する
                        のも仕方がないと思いました。子供の頃の悲惨な体験を「なかったこと」
                        にして感情を押し殺し勉強や修業に励んで地位を得た者が、神の道、正義
                        と信じてどんな残酷なことでも平気になる、その怖ろしさがリアルに描か
                        れていて圧倒されました。

                        この小説の最初の部分ではかなり反発も感じたのですが、ここまで読んで
                        作者の知識や研究、そして物語を作る力に深敬意を抱くようになりました。
                        いつか原語で読み作者と直接会って話がしてみたいです。
                        ステラ * 読書 * 12:37 * comments(0) * trackbacks(0) * -
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