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    カッサンドロス朝マケドニア(2)

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      古代ギリシアがんちく図鑑
      古代ギリシアがんちく図鑑
      芝崎 みゆき
      JUGEMテーマ:読書


      期末テストが終わり、高校生は来週から夏休みですけど、前回の
      続きの話、長男に語ったカッサンドロス朝マケドニアについて書き
      ます。ちなみに彼のテスト結果、世界史が93点で全科目の中で
      一番いい点数だったそうです。教科書はもちろん、各種参考書まで
      読み比べて万全のサポート体制でテストに臨ませた母(世界史だけ
      ですけど)にはまだまだ不満のある点数ですが・・・

      「ところでギリシャの首都ってどこ?」
      「そんなものアテネに決まっているだろう。俺を馬鹿にするのか」
      「それじゃあギリシャ第2の都市は?」
      「知るか、そんなこと」
      「第2の都市はテッサロニキ、カッサンドロスが妻にしたアレクサン
      ドロスの妹テッサロニケからつけられた名前ね。聖書にも出てくるし
      アテネオリンピックのときサッカーの試合も行われたから覚えておい
      てね」
      「アテネオリンピックって何年前の話だ?」
      「とにかく王、そのころは王とは名乗ってないけどマケドニアの最高
      権力者になったカッサンドロス、テッサロニキの街を作ったり、その
      当時のペラの街を修復したりと頑張って国の復興に努めた。今残って
      いるペラの遺跡はほとんどがカッサンドロスの時代に修復されたもの
      であって、アレクサンドロスの時代のものではないの。彼はずっと遠征
      に行っていたから」
      「まあ、そうだろうな」

      カッサンドロスといえば、私がとても気に入っているエピソードがあり
      ます。それも話さなくては・・・
      「それからよく教科書なんかで出てくるアレクサンドロスの肖像画、あれ
      はイッソスの戦いを描いた大きなモザイク画で、ポンペイから発見された
      のだけど、それの元になる絵を画家に注文して描かせ王宮に飾っていたの
      もカッサンドロスだったの」
      「ふーん」
      「すごいでしょ。あれだけ怖れていたアレクサンドロスの肖像画をわざわ
      ざ自分の王宮に飾ったのよ」
      「怖れていたってどれくらい?」
      「バビロンで王の前でみんなが跪いたのを見てカッサンドロスが笑ったと
      いうのは話してあるね。それでアレクサンドロスは激怒してカッサンドロス
      の髪を掴み、壁に頭を打ちつけるという激しい暴力を振るったらしいの」
      「ひえ〜、ちょっとこわいじゃんか」
      「カッサンドロスにとっては殺されるかと思うほどの衝撃的な出来事だった。
      もっとずっと後になって、アレクサンドロスが死んで自分が権力を握ってい
      ても、彼の銅像を見ただけで眩暈を起こして倒れたっていうのよ」
      「へ、情けない」
      「それなのにわざわざその怖れていたアレクサンドロスの肖像画を王宮に
      飾って毎日見ていた。それって素晴らしいことだと思わない?」
      「どうせ人気取りのためだろう。アレクサンドロス関係の銅像や絵を置いて
      いれば国民は喜ぶ」
      「その通り!でもそれだけではないと思うのよね。カッサンドロスの心の
      中にアレクサンドロスに対する怖れだけでなく尊敬の念もあり、でもや
      っぱり怖くて、それでも肖像画を飾り、自分の中の怖れや弱さを克服しよ
      うとした。そこが素晴らしいのよ」
      「それは考え過ぎ、どうせ人気取りだ」
      ああ、なかなかこの複雑な葛藤について、高校生ではわかってくれません。
      なんて言って、私自身カッサンドロスの心理がわかって書いているわけでは
      なく、あくまでも想像ですが・・・

      「でもさ、結局そのカッサンドロスって、アレクサンドロスの子供も殺して
      いるんだろう」
      痛いところを突かれました。唯一の王族で、自分の政権が移るかもしれない
      という理由で彼はアレクサンドロスの子を部下に命じて殺させているのです。
      なんの罪もない12歳の少年を・・・
      「そうね。それはまあアレクサンドロスの子が生きていれば、いずれ他の
      部下が彼に味方して政権が奪われるという危険があったから。でも彼なり
      に良心の呵責はあったと思うの。ヴェルギナの墳墓から12歳位の少年の
      遺体も見つかって、それがアレクサンドロスの子供のものではないかと言わ
      れている。やむをえず殺すことになったけど、せめてお墓だけでも同じ王家
      の場所に作って立派な埋葬品を入れたのよ」
      「ふ〜ん。それでその母親はどうなった?」
      「母親のロクサネも一緒に殺されたけど、それは王家の墓には・・・・」
      「だめじゃん、それ。どうせなら一緒の墓に入れてやれよ。かわいそうに、
      罪滅ぼしのために立派な埋葬品を入れたんだろう」
      そうです。そんな気持ちでお墓を作ったカッサンドロスですけど、やっぱり
      この人、マケドニア人、そしてギリシャ人が一番優秀で偉く、その他の民族
      は劣っているという考えが強かったのでしょう。遠征先でアレクサンドロス
      王妃にした異民族の娘ロクサネの遺体がどうなったかわかっていません。
      こういう一面があるから、いいこともしているのにカッサンドロスの弁護
      をすることが難しくなります。

      この続きはまた次回・・・・



      ステラ * 創作 * 15:22 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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