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    宮廷画家ゴヤは見た

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      ゴヤ―スペインの栄光と悲劇 (「知の再発見」双書)
      ゴヤ―スペインの栄光と悲劇 (「知の再発見」双書)
      ジャニーヌ バティクル
      JUGEMテーマ:映画


      「宮廷画家ゴヤは見た」を見てきました。久しぶりに映画館に行きました。
      この映画のタイトル、最初見たときに「家政婦は見た」という言葉が浮かん
      でしまって(笑)スペイン王宮内のスキャンダルやゴシップがテーマなのか
      と思ってしまいましたが、全然違う内容の映画でした。

      スペインを舞台にした映画や小説というのは私にとってトラウマになる確率
      が高いです。以前見た「バッド・エデュケーション」「パンズ・ラビリンス」
      の2本の映画、そして最近読んだ小説「風の影」いずれも涙を流した、感動
      したなんていう生易しいものではなく人生観が変わるほどの衝撃を受け、し
      ばらく何もできなくなってしまったほどです。この映画も他の人の感想や予告
      などを読むと「異端審問」「神父の禁断の愛」などトラウマになりそうな言葉
      が並んでいます。しかも主演が「ノーカントリー」の殺し屋ハビエル・バルデ
      ム、映画は見ていなくても強く印象に残っている俳優です。恐いのを覚悟して
      見に行きました。

      この映画の中で画家のゴヤは物語の語り手に徹していて、特に何かをしたり
      彼の生涯が語られるというわけではありません。物語の中心になるのは彼が
      肖像画を描いた清らかで美しいイネスという女性とロレンソ神父の2人です。
      教会が再び権力を取り戻そうと異端審問を強化した時、たまたま居酒屋で
      ブタ肉は嫌いと言ってしまった商人の娘イネスがユダヤ教徒の疑いをかけら
      れて審問所に呼び出されてしまいます。彼女の父トマスと親しかったゴヤ
      は同じ頃肖像画を描いていたロレンソ神父に頼んで彼女を助けようとします
      が、イネスはもう拷問を受けて嘘の自白をしてしまい牢につながれていま
      した。そしてロレンソ神父は牢獄のイネスと会い、こともあろうに彼女と
      関係を持ってしまいます。

      異端審問、拷問、火あぶり、こうしたことが中世ヨーロッパで頻繁に起きて
      いたことは知っていましたが、フランス革命が過ぎてナポレオンの時代にな
      った頃までこうしたことが行われていたというのはかなりショックでした。
      魔女狩りは中世のジャンヌ・ダルクの頃、ナポレオンの時代は革命の自由や
      平等という言葉が広くいきわたり、鉄砲で戦っていたというイメージがあり
      ました。でも実際にはそうしたことはかなり長い期間に渡って行われたよう
      です。ロレンソ神父は「正しい行いをしていれば神が痛みに耐える力を与え
      てくれるはずだから、嘘の自白などするはずがない」と言っていますがとん
      でもない、拷問なんて自白させるために最もやられたくないことをやってい
      るのだから普通の人間に耐えられるわけありません。神の裁きという名目で
      平然と残酷な拷問をする教会の修道士達、人間は自分が正しい、神がついて
      いると思えばどんなことでもできるのだとつくづくイヤになりました。

      異端審問を率先して行っていたロレンソ神父は、傷だらけになりながらそれ
      でも美しいイネスを見て欲望に負け、罪を犯します。普通神父が欲望に負け
      て罪を犯した場合、自分なりに言い訳したり保身を考えてもそれなりに神に
      許しを求めたり良心の呵責を覚えたりするものですが、ハビエル演じるこの
      ロレンソ神父にはそうした感情や心の揺れがまったく見られません。ここま
      でくれば逆に立派と思えるほど、本当に反省のない人です。教会で断罪され
      て肖像画が燃やされてしまいますが(それも火あぶりの刑をするのと同じよ
      うに大袈裟な儀式の末に絵が燃やされる)本人はちゃっかり別の国に亡命し
      ていていい暮らしをしています。肖像画を燃やすくらいで何を大袈裟なと
      感じるのですが、生きた人間も同じような儀式や神の名のもとで殺されて
      いく、恐ろしい時代です。王侯貴族が豪華な城に住み、成功した商人が贅沢
      な暮らしをする一方で昔ながらの残酷な慣習が行われている、そんな時代
      にゴヤは画家として生き、周りのできごとすべてを見て絵を残しました。

      15年後、ナポレオン率いるフランス軍がスペインにも進軍し、異端審問も
      廃止され、牢獄につながれていたイネスも外に出ます。けれども長い間の幽閉
      生活で彼女はもう精神に異常をきたしてボロボロの姿でゴヤに会いに来て獄中
      で生んだ自分の娘に会いたいと頼みます。15年前に彼女を救えなかったゴヤ
      は今度こそはと手を尽くします。フランス軍に参加してなぜかとても偉くなって
      しまったハビエル・ロレンソ神父は相変わらずのふてぶてしい態度で2人の
      前に現われます。彼女がどうなってしまったかなどまったく気にもしないで・・

      とまあトラウマになる要素がたくさんつまった映画です。イネスの姿があまり
      にも悲惨で涙を流す余裕もなかったし、修道士やフランス軍兵士のあまりにも
      残酷でふてぶてしい態度に怒りを通り越して、本当に感情をあらわにするより
      も映画の中のできごととして見てしまいました。神の名を語り、自由や正義を
      口にすれば、何をやってもいいんだと・・・ロレンソ神父は酷い人間ですが、
      周りの人間も似たり寄ったり、本来なら道徳や良心の基準である教会側があの
      態度で人は何を信じたらいいかわからなくなっているのでしょう。そんな救い
      のない話ですが、それでも最後の部分は神の救いを感じられる美しいシーンが
      あり、そこでどっと涙を流してしまいました。

      トラウマになりそうなシーンはたくさんあるけど、それでもスペインという国
      やキリスト教について知るための貴重な体験となる映画だと思いました。

      ステラ * 映画 * 15:19 * comments(0) * trackbacks(1) * -

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