<< September 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< Fire from Heaven 第7章(14) | main | ヘンリー8世の兄アーサー >>

スポンサーサイト

0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    スポンサードリンク * - * * - * - * -

    ブーリン家の姉妹

    0
      ブーリン家の姉妹 上 (1) (集英社文庫 ク 17-1)
      ブーリン家の姉妹 上 (1) (集英社文庫 ク 17-1)
      フィリッパ・グレゴリー
      JUGEMテーマ:映画


      「ブーリン家の姉妹」を見てきました。出演者も衣装や舞台背景の建物
      などもみなゴージャスで2時間ほどの映画とは思えないほど見ごたえがあり
      ました。終わった後しばらく頭がクラクラして立ち上がれなかったほどで
      す。でもあまりにも遠くかけ離れた世界という感じで登場人物に感情移入
      するということはあまりなく冷静に見ていました。

      ヘンリー8世、世界史で習った知識では私の中でかなりイメージの悪い王様
      それがヘクトルのエリック・バナが演じることでどう変わるかと期待したの
      ですが、やっぱり最終的に嫌いになりました(笑)でもその時々のヘンリー
      8世の感情の変化などはかなり納得できましたので、丁寧ないい演技だったと
      思います。

      後からパンフレットを見て知ったのですが、ヘンリー8世の最初の王妃キャ
      サリンはスペインの王女でした。最初に結婚したのはヘンリーの兄アーサー
      の方で、兄王が後継者を残さないまま病死したので王座と王妃がそのまま
      弟のヘンリーにまわってきたという感じで、なるほどこれなら最初の王妃
      キャサリンにはあんまり愛情を感じられないだろうし、かなりのインテリ
      で武芸にも優れていたというヘンリー8世が屈折した性格になったのも納得
      できました。

      ブーリン家の姉妹の父と叔父(この2人が本当に野心と欲望の塊のような
      いやなヤツ)は最初美しく再起旱魃なアンを宮廷に入れようとし、やさしい
      妹のメアリーは裕福な商人と結婚させていました。でもメアリーの方が王様
      に気にいられて侍女として宮廷に上がるよう命じられたので作戦変更、彼女
      を差し出すことにしました。姉のアンやメアリーの夫も宮廷での地位を与え
      るからと一緒に、今の感覚ではメチャクチャなことやっているように思えま
      すが、それが当時の王様としてはごく普通のことだったのでしょう。

      エリック・バナ演じるヘンリー8世、メアリーと話をする場面なんかはとて
      もやさしそうで、けっこういい人だったのかもしれないと一瞬思ってしまい
      ました。彼が本当に愛したのはメアリーだけだったのかもしれない、でも彼女
      が妊娠して安静のため寝込むようになると王の心は急速に離れてしまいます。
      キャサリン王妃が私産と流産を繰り返していたので、子供が無事生まれない、
      健康でない女性をうとましく思うようになったと気持ちはわかるのですが、や
      っぱりこういう男は嫌いです。いくらゴージャスな衣装を着て誠実そうなエリ
      ック・バナが演じていても(笑)

      さらに愛するメアリーの一大事に姉のアンに興味を持つなんて、とヘンリー8世
      のこと加速度的に嫌いになるのですが、ブーリン家の父と叔父は今度はアンに
      白羽の矢を立て、王の心をつかむよう言います。アンもそれこそが自分の天職と
      ばかり恋愛テクニックを駆使して王の心を引き付け、ついにはキャサリン王妃
      と離婚して自分を王妃にしてくれとまで言い出します。今までいくら愛情がさめ
      ていてもスペイン王女の王妃がいる限り他の貴族たちは娘に王妃の地位など望ま
      ず愛人で満足していたのでしょう。いくら王が浮気っぽくても最初の王妃との
      離婚さえなければイギリス王室は安泰だった気がします。それが拒絶されて頭に
      血が上った王様、後先のことを考えずに無理やり離婚し、反対したカトリック
      教会から離れて聖職者を殺してと、権力のある立場だけにメチャクチャなことを
      して歴史を大きく変えてしまいます。

      それほどの事件を起こしたアンとの恋愛ですが、この映画で見る限りどうも心
      の底からアンを愛して前の王妃と離婚したというよりも、拒絶されて王として
      のプライドが傷つけられたから無理にでも結婚して手に入れたという感じなの
      です。だからようやくアンを手に入れた時のヘンリー8世の表情は苦労して手に
      入れた獲物を食い尽くそうとする獣のようで、メアリーに見せた穏やかな表情
      とはまるで違ったいました。そしてそんなにまで苦労して手に入れたアンから
      生まれたのは女の子でヘンリー8世の愛情は急に冷めてしまいます。いや、元々
      愛情というよりプライドを優先する人なので、世継ぎの男の子が産めない女に
      は興味がないということになってしまうのでしょう。そしてアンは、妊娠、出産
      を通して精神的に不安定になります。出産前後は何の問題もない普通の人でも
      感情的になったり落ち込みやすくなるもの、ましてプライドが高く王妃の座にま
      で登りつめたアンが追い詰められてエキセントリックになるのはよくわかります。
      そして流産、不安定な気持ちの中つい弟や周りにいる男の人と話したくなるの
      も仕方がないと、それが彼女をよく思っていない人にちょうどよいスキャンダル
      のネタを与えてしまって、最後の方は本当にかわいそうになりました。

      ヘンリー8世にとっては、手に入れて王妃にした時から恋愛感情は冷め、世継ぎを
      産めないなら役にも立たず、プライドをかけて多くのことを犠牲にして王妃にま
      でしたアンに不義密通の噂があれば、プライドはさらに傷つけられいっそうのこと
      殺してしまえと思うのも無理ないことなのかなと思いました。メアリーへのかすか
      な愛や思い出よりも王である自分のプライドを傷つけ将来を台無しにしたアンへ
      の憎しみの方がはるかに強くなり、疑わしき者はまとめて処刑、王様が絶対的な
      権力を持つ時代の恐ろしさです。権力者にとってはプライドこそが何よりも大事
      なのかなあと思いました。そのまきぞえをくった姉妹の弟ジョージは本当に気の
      毒です。

      この映画ではヘンリー8世を始め姉妹の父や叔父などプライドや権力欲にとりつ
      かれたおぞましい亡霊のような男ばかり出ているのですが、ただ2人メアリー
      と結婚した2人の夫は人間として一番まともだなあと思いました。妻が王の愛人
      になって自分も宮廷に行き出世する、男としてはさぞかしおもしろくない立場
      で、王様と妻が話をするたびに辛そうな顔で見ている姿が痛々しく見えたので
      すが、それでも最後までメアリーを愛し守ろうとしている姿に感動しました。
      私は最初この夫役は1人だと思ってずっと見ていたのでどこで2人目に入れ替わ
      ったかわからず、パンフレットを見て最後に結婚したのはそんなに金持ちの
      男ではなかったのかと驚いたのですが、この地位もお金もなく、見た目も地味で
      ぱっとしないメアリーの夫こそ、人間として一番大事なものを持っていると
      感じ、最後のシーンで涙ぐんでしまいました。

      ステラ * 映画 * 09:17 * comments(2) * trackbacks(1) * -

      スポンサーサイト

      0
        スポンサードリンク * - * 09:17 * - * - * -

        コメント

        ステラさん、こんにちは!
        こちらの画像、初めて見る写真です。
        グリーン系のが多い中、こういったブルー系のは珍しいですね

        >どこで2人目に入れ替わったかわからず、
        私も気が付かなかったです・・・見て暫く経つのでちょっと忘れているものの。2人目って処で、疑問詞が頭の中にあった様な・・
        パンフレットでは説明されていたのですね。

        >最後に結婚したのはそんなに金持ちの男ではなかったのかと驚いたのですが、この地位もお金もなく、見た目も地味でぱっとしないメアリーの夫こそ、人間として一番大事なものを持っていると

        うわっ・・・そうですね。さすがステラさん、しっかりと深いところまで見ていらっしゃる^^
        Comment by latifa @ 2008/11/13 10:28 AM
        latifaさん、こんにちは

        コメントとトラックバックありがとうございます。latifaさんはこの映画
        ずいぶん前にご覧になったのですよね。今回自分が見たあとでそちらの
        ブログもじっくり読ませていただきました。

        この画像は本の表紙なのですが、確かにアン・ブーリンは映画の中で
        グリーンの衣裳が印象的で、ブルーはあまり着ていなかったですよね。

        エリック・バナ、かなり好きな俳優さんなのですが今回のヘンリー8世
        は役が役だけにあんまり感情移入はできなかったです。姉妹2人も、あま
        りにも美しいから共感しにくい(笑)メアリーの夫や弟のジョージあた
        りが一番ほっとするタイプで熱心に見ていました。最後のシーンはアン
        よりも弟がかわいそうで涙しましたし、何があっても妻を愛して守ろう
        とする夫ウイリアムの姿に感動しました。ずっと1人の人だと思ってい
        て見終わってからパンフレットを見て驚いたのですが・・・一生懸命
        見ていたわりに途中で別の人になっていたことに全然気付かなかったの
        です。平凡でも夫にするならああいうタイプがいいとつくづく思いま
        した。

        Comment by 管理人 @ 2008/11/14 10:04 AM
        コメントする









        トラックバック

        「ブーリン家の姉妹/THE OTHER BOLEYN GIRL」感想 面白かった

        ナタリー・ポートマンと、スカーレット・ヨハンソンが姉妹役。 ヘンリー8世が、エリック・バナ!これは、見たかったんですよ! 感想は、面...
        From ポコアポコヤ 映画倉庫 @ 2008/11/13 10:21 AM
        このページの先頭へ