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    THE ハプスブルク展

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      JUGEMテーマ:アート・デザイン

      THE ハプスブルク展を見に行きました。ハプスブルク家の人間に
      ついてはかなりいろいろな歴史関係の本を読んでいたので、今回の
      美術展は描いた画家よりも肖像画に描かれた人物への興味で行き
      ました。

      国立新美術館今回初めて訪れて 、地下鉄の駅直結というのは迷わ
      ずに行けていいけど、階段を上がってすぐ行けるというよりも上野の
      ようにある程度駅から遠く街路樹などをながめて歩く方が美術館に
      行くという感じが出るのになあ、と思いました。

      休日だったので中はかなり混んでいました。レストランの特別メニュー
      の写真が気になったけど予算の都合で通り過ぎ、サンドイッチとコーヒー
      で簡単に腹ごしらえしてから会場に入りました。

      「11歳の女帝マリアテレジア」
      「オーストリア皇妃エリザベート」
      「白衣の王女マルガリータ・テレサ」
      の3点、本で何度も見たことはあったけど、やっぱり本物は美しく素晴ら
      しかったです。特に皇妃エリザベートの絵はサイズもかなり大きく、しば
      し呆然と見とれていました。ヨーロッパ随一の美女という言葉もうなずけ
      ます。

      でも私がこの美術展で一番心魅かれ繰り返して何度も見た肖像画は
      以外にも今までまったく気にもとめてなかった皇帝フランツ・ヨーゼフ1世
      の方でした。一目見た瞬間、この人の瞳はなんて悲しそうなのだと思いっ
      きり心を揺さぶられ、一目ぼれしました(私が映画を見てある俳優のファン
      になるというのも、悲しげな青い瞳にやられるというパターンが多い)カラー
      写真の多く載った本を読んで、エリザベートの美しさや悲劇的な人生は
      よく知っていたけど、その夫である皇帝の方は本の写真では表情までは
      よくわからない、特に意識してなかっただけにガツンとやられました。

      豪華な衣装はハプスブルク帝国の歴史の重さそのものであり、歴史の
      転換期に生きて、どれほど努力をしても帝国の崩壊を止めることができ
      ない苦しさ、そして弟マクシミリアンはメキシコで処刑、長男ルドルフの
      心中、皇妃エリザベート暗殺と愛する者を次々と失う悲しみ(自分のせい
      かもしれないと思う心の痛みもある)本を読んで歴史を知っているからそう
      見えるのかもしれないのですが、深い悲しみを知っている瞳から目が離せ
      なくなり、同じ絵ばかり何度も見ました。

      そしてフランツ、ヨーゼフ1世の瞳を知った後で皇妃エリザベートの絵を
      見ると涙が出てきました。一目ぼれした美しい彼女を母の反対を押し切っ
      て強引に結婚し皇妃にしたけど、エリザベートは厳しい宮廷のしきたりや
      母の監視に耐えられず神経を病んでいきます。愛する人が自分のそばを
      離れ旅に出ている時だけ生き生きしているというのはどれほどの悲しみ
      なのか、皇帝のまなざしで見たエリザベートの美しさはあまりにも切ない
      です。

      もう1点、私が今回心魅かれた展示物は「メデューサの首がついた盾」で
      した。カール5世が命じて作らせたというこの盾、まさかこの時代の人が
      メデューサの首があれば敵を石のように固まらせることができると信じて
      いたわけではないでしょうし(笑)どう見ても実戦向きではない、完全に趣味
      のものだなあというところでとても感動しました。アレキサンダーがホメロス
      の本を枕の下に置いて寝たように、カール5世もギリシャ神話が大好きな
      文学青年だったのね、とすごく親しみを覚えました。この盾はただ怖ろしい
      メデューサの首がついているだけでなく、まわりはびっしりギリシャ的な
      彫刻や絵で飾られているのです。それがとにかく気が遠くなるほど細かい、
      もちろん作ったのはカール5世ではなく王様はただ命令するだけで作った
      のは職人さんでしょうけど、こういう品を注文して作らせるということに並々
      ならぬギリシャ神話への愛と情熱を感じました。カール5世は広大な帝国
      を受け継ぎ(本人の意思というよりもいろいろな偶然が重なって、両親祖父母
      と全部の領土が彼に集まってしまった)さらに宗教改革や各地の反乱、オス
      マントルコも攻めてきてと戦いに明け暮れ多忙な人生を送った人、そんな
      王様がこの盾を眺めてしばし過酷な現実を忘れオタク心(笑)を満足させた
      のかもしれないと思うとうれしくてついつい笑いがこみあげてきました

      フランツ・ヨーゼフ1世とエリザベートの肖像画に泣き、カール5世の盾に
      うれしさがこみあげてきた、美術鑑賞という視点からはかなりずれてしまった
      かもしれないけど、とても心に残る美術展でした。
      ステラ * - * 09:33 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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