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    バスク・モンドラゴン

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      JUGEMテーマ:読書

      「バスク・モンドラゴン、協同組合の町から」
                   石塚秀雄著
      という本を読み始めました。きっかけは仕事の
      研修で見たビデオでした。私はNPO法人で働いて
      いて、そこの団体の理念である「共同労働」とい
      う言葉は研修でよく聞いていました。ただ正直な
      ところ理念に魅かれてその団体で働き始めたわけ
      ではなく家の近くで仕事内容が魅力的だったから
      働いていたわけであり、あんまり共同労働という
      ことは意識していませんでした。でも研修のための
      ビデオを数十人の人と一緒にぼんやり見ていたら
      突然スペイン北部の話しになったので目が覚めま
      した(笑)懐かしい風景や街並みが続き(行ったこ
      とないけど)インタビューで話している人がかっこ
      いい!すっかり映画の気分です。そこで出てきた
      「モンドラゴン」という名前が気になっていろいろ
      調べたところ、世界で一番大きく成功している共同
      組合の企業で、内戦後の荒廃した町の様子に心を痛
      めた1人の神父が町の復興のために技術専門学校を
      作ったところから始まったと知って感激し、本を捜
      して購入したわけです。

      この本が出版されたのは1991年、今から20年以上
      前で世界情勢はその頃と大きく変わっています。スペ
      インのバスク地方という昔から地域の繋がりが強い地方
      だからこそこのような形の企業が発展したのであって
      どの国でも取り入れられうまくいくというわけでもな
      いでしょう。にも関わらずこの本に書かれた町の様子
      や共同労働という形での働き方は1つの理想を実現して
      いて強く感動しました。

      「モンドラゴン」という町の名前は「竜の山」という
      意味です。竜がいる山、鉄鉱石がとれる場所、固い絆
      で結ばれている町の人々、ファンタジー映画に出て来る
      ような地域です。映画でのドラゴンやナズクルは現実で
      は悪徳領主や独裁政権の支配だったのでしょう。特別な
      資源がない山の中にある小さな町に赴任してきた若き
      神父アリスメンディアリエタは町のために生涯を支えま
      す。

      彼は子供の頃怪我をして片方の目を失明し、また内戦の
      時には従軍記者として戦場に行き投獄された経験を持って
      います。釈放されて神学校にもどり、副司祭としてモン
      ドラゴンに来ます。最初に寄付金を集めて技術専門学校を
      作り、その卒業生がストーブを作る工場を作った時共同
      経営という形にするようアドバイスをします。資本主義
      でも共産主義でもない、働く人が皆で出資し経営に加わり
      利益を分配して給料を出す共同労働です。その後共同労働
      の形での工場や企業は増え、スペインだけでなく世界で
      注目される共同組合となります。

      その指導者となったアリスメンディアリエタ神父、本を
      読むまではさぞかしすごいカリスマ性のある人だと思って
      いました。でも話すのが下手で教会の説教で信者をがっか
      りさせた、自分が作った学校で哲学や社会学を教えたが
      授業は退屈だった、自分が重要な役職につくことは決して
      なく、それでも会議には自由に参加して意見を述べたが
      たいがい無視された、などという意外なエピソードが書い
      てありました。カリスマとして自分の考えで人をまとめる
      のではなくアドバイスを言うだけ、自分が頂点に立つこと
      は決してなかったようです。頂点には立たないけどとても
      慕われていました。

      国のトップから町内会、PTAの役員まで自分の利益や主張に
      こだわって国民や会員の幸せなどあんまり考えない指導者
      に日々接してうんざりしている中、協同組合という新しい
      働き方の団体を作ったこの神父は指導者としても理想的だ
      ったと思いました。
      ステラ * 読書 * 22:10 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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