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    カラヴァッジョ展

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      JUGEMテーマ:展覧会

      カラヴァッジョ展を見に行きました。平日の昼間なの
      にもかかわらずかなり混んでいましたが、見応えがあ
      りました。

      ここから先、かなり個人的な感想や解釈が続きますの
      でそれを承知で読んでください。

      私はカラヴァッジョは絵画に革命をもたらし、またその
      作品は特に人物、宗教画では頂点に立っていると思いま
      した。それまでのルネサンスの絵も素晴らしいのだけど
      それはあくまでも絵としての美しさを追求したもの、で
      もカラヴァッジョの絵は舞台で劇をやっていてその一場面
      を写真で撮ったような、前後の情景や登場人物のセリフが
      感じられるほどの生々しさや迫力があります。時にはこの
      人本当に美しいの?と疑問を持つほどリアルな表現、好き
      嫌いは分かれるでしょうけど、絵画でこれほど感情をかき
      たてられることは他の画家の作品ではないと思いました。

      カラヴァッジョの生涯もまた劇的です。ミラノ近郊で生まれ
      て若い時に両親を失ってたった1人でローマに出て絵の修業
      をする、ある枢機卿に気に入られてその庇護を受けるが作品
      を描いては町へ繰り出しお酒を飲んでトラブルを起こす、チ
      ンピラみたいな生活が続きます。そしてとうとう殺人事件を
      起こし、ローマ教皇から死刑判決を受けてしまいます。ナポ
      リへ逃れ、マルタ島へ行って大作を仕上げ騎士にしてもらう
      もまたそこで他の騎士を怪我させ、今度はローマ教皇からだ
      けでなく騎士団の刺客にも追われるようになる、昔の友人に
      かくまってもらいながら作品を描き続け、最後は恩赦が出た
      のにもかかわらず手違いがあって作品が別の船で行ってしま
      いそれを追いかける途中熱病にかかって死んでしまいます。

      現代でもスポーツ選手や歌手、俳優など栄光を掴んでいる人
      がなんでこんなことするの、と思うようなスキャンダル起こ
      しています。人一倍ストレスの多い世界にいると、望みがか
      なった時にわざとそれを壊したくなってしまうのかもしれま
      せん。カラヴァッジョも殺人を犯して追われているのだから
      大人しくしていればいいのにまたトラブル起こして敵を増や
      してしまう、逃亡生活が続くとそのストレスからさらに危険
      な方へ自分から行ってしまうのかもしれません。でもその
      恐怖から迫真の絵が描けた、カラヴァッジョの絵は時代の
      要求と個人の才能や性格が複雑に絡まって生まれた奇跡と言
      ってもよいでしょう。

      若い頃の作品は「バッカス」や「果物かごを持つ少年」など
      身近な人物をモデルにした(あるいは自分がモデル?)風俗
      画が多い、教会での宗教画以外に貴族や裕福な庶民がそうした
      絵を求めたからでしょう。そしてそれはパトロンとなった枢機卿
      の好のみと一致したのかもしれません。後半生の逃亡時代は逆
      に聖人を描いた宗教画が圧倒的に多い、そうした絵を描くこと
      が贖罪に繋がったのでしょう。罪を犯しては悔悛する、その繰り
      返しから生まれた「マグラダのマリア」の絵は圧倒的な迫力が
      ありました。ただリアル過ぎて怖くもあるので、自分の好のみ
      としては「洗礼者ヨハネ」の絵が今回見た中で一番よかったで
      す。ジャニーズ系、自然な感じの美少年なところが(笑)

      「この人を見よ」というタイトルの絵、解説を読んで総督のピラ
      トは本当はイエスを処刑したくなかったのかもと思いました。も
      う十分傷つけられたこの人を民衆に見せて慈悲を与え助けようと
      考えたのが、民衆はそうではなく死刑を要求した、そんな雰囲気
      がカラヴァッジョの絵から強く感じました。同じタイトルの他の
      画家の作品ではピラトは本当に悪人顔でしたが。死刑を宣告され
      た画家が慈悲を与えてくれと訴えているようにも見えました。ロー
      マ教皇から死刑宣告が出されるということは破門されキリスト教
      社会では地獄行きとなる、何重にも重なる恐怖の中で逃げまどい
      絵を描き続けた、すさまじい生涯です。
      ステラ * 美術展 * 21:52 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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