<< November 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

スポンサーサイト

0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    スポンサードリンク * - * * - * - * -

    第1章(4)

    0
      JUGEMテーマ:読書

      27ページまで読み終わりました。アレキサンダーがペルシャから来た
      使者を父の代理で接待するというこのシーンは記録も残っているそうです。
      第2章で7歳と出ているのでこの時はまだ5,6歳でしょうか。彼は同年齢
      の他の子より体は小さかったようですからそんな子供が大人と同じように
      接待し、質問してくるということにペルシャの使者はさぞ驚いたでしょう。
      使者達が通された部屋の壁にはペルセウスとアンドロメダの大きな絵が
      描かれていました。アルケラオス王がギリシャ文化を取り入れてペラに
      王宮を作り、そこでアレキサンダーは育ちました。今ペラの遺跡で残って
      いるのはカッサンドロスが王になった時代の貴族の館などで、この当時の
      王宮がどんな感じなのか文章を読んで想像するしかありません。

      使者達は反乱を起こしてマケドニアに逃げた太守を連れ戻すという目的
      でやってきました。メムノンなどギリシャ人の傭兵のことも話題になってい
      ます。100年以上前のクセルクセスの遠征の時当時のマケドニア王アレク
      サンドロス(同じ名前のご先祖様)はペルシャに従いながらも情報をこっそり
      ギリシャ側にも流すということをしていましたが、この時代もペルシャからの
      亡命者がいたりギリシャ人の傭兵がペルシャ王に仕えていたりしていて、
      単純にギリシャ対ペルシャに分けられない複雑な関係であったことがわかり
      ます。

      フィリッポス王は軍隊の演習に出ていたので、小さなアレキサンダーが自分で
      考えて使者達の接待をします。父の玉座に座れば足が届かないというくらい
      でしたが、それでもペルシャの軍隊や王の様子について様々な質問をし、大人
      と同じような受け答えをするので使者達が驚きます。ペルシャの軍隊に関して
      は「海の砂あるいは星の数ほど」という答えが返ってきてメディア人の弓兵、
      エチオピア人は顔にペイントをして石弓を使い、アラブ人のラクダ隊などなど
      本当にたくさんの民族、国を支配下に置いた広大な帝国だったのだなと思い
      ました。ただヘロドトスの「歴史」などを読むとクセルクセスなんかはそうとうメチャ
      クチャな性格で極端なことばかりやっていてこれでよく帝国が崩壊しなかった
      と(笑)国の仕組みが整ってしまえば相当ひどい王様の代があっても無事続いて
      いくようです。

      アレキサンダーはそんなにいろいろな国の兵士がいるならペルシャ語を話せな
      い兵士は王様とどうやって話すのかと質問しますが、使者達は王は特別に親し
      い者以外とは話はしないと言います。ペルシャ人にとっては王が演習に参加し
      兵士と親しく話すというマケドニアの方が不思議に思えたのかもしれません。

      最後アレキサンダーは呼び出されて使者達にファランクスの説明をして出て
      いきます。彼は幼いころから年上の兵士達とも対等に話して訓練を見学してい
      たので、だからこそペルシャの軍隊に対しても興味しんしんで使者達が驚くよう
      な質問を次々したのでしょう。
       
      ステラ * 洋書 * 20:21 * comments(0) * trackbacks(0) * -

      第1章(3)

      0
        JUGEMテーマ:読書

        21ページまで読み終わりました。この章ではプトレマイオスが主要な
        登場人物になっています。アレキサンダーとプトレマイオス、私は5歳
        くらい年上かとイメージしていましたが、この本では7歳と18歳、11歳
        の差があり、プトレマイオスはすでに戦場での経験もあって革のベルト
        をつけ短剣も持っていました。プトレマイオスは馬に乗って海近くの草原
        まで来た時に犬を連れたアレキサンダーに会い話しかけて一緒に馬に
        載ります。

        年の差以外にここではプトレマイオスがフィリッポス王の子であり、アレ
        キサンダーと母の違う兄弟になるという設定もされていました。事実が
        どうであったかはわかりませんが、もしこのような噂があればプトレマ
        イオスは後年エジプトの王になった時には、自分はアレキサンダーと
        兄弟であったと宣言し、噂を最大限利用したと思います。

        後になれば利用できる王の子であるという噂、でも若い時はそれを
        聞いて言ったヤツを殺してやるというくらい侮辱の言葉と受け取って
        いました。プトレマイオスの母は将軍ラゴスと結婚しているので王の子
        ならば私生児になってしまいます。「チェーザレ」で知ったのですが、
        キリスト教社会では正式な結婚意外で生まれた子は神の恩寵から
        遠く離れていると差別されていました。古代のギリシャやマケドニアで
        はこの当時どこまで結婚の制度がしっかりしていたのか、私生児は
        差別されていたのか気になります。そして王位は長男が継ぐという
        制度が確立されていたのか知りたいです。とにかくフィリッポスが王に
        なるまでにはマケドニアでは王位をめぐっての争いや暗殺が絶えな
        かったようです。

        プトレマイオスはアレキサンダーの母オリュンピアスがわけのわから
        ない儀式をおこなったり蛇と寝ているという噂も聞いているので、その
        王妃を怒らせ、また王位争いに巻き込まれれば自分の命も危ないの
        でなんとか王の隠し子であるという噂を消したいと考え、よいことを思い
        つきました。それはアレキサンダーと義兄弟の契りを交わすということ
        です。そうすれば何か言われても彼とはもう義兄弟の関係だから兄同
        然だと切り返せます。義兄弟は本当の家族以上に絆は深く、相手の
        敵は自分の敵、遠い見知らぬ土地でどちらかが死んだら葬儀をあげ
        なければならない、などと言っています。

        義兄弟の契りを交わしたアレキサンダーとプトレマイオス、確かにこの
        2人は生きている間に戦う事はなかったし、アレキサンダーの遺体を
        プトレマイオスはエジプトまで運んで葬儀を行っています。アレキサン
        ダーは生前エジプトでアモン神の神殿を訪れ、神の子であるという
        お告げを受けていますが、その神の子である王の葬儀を行って後継者
        であることをアピールし、さらに王の兄弟でもあったと言えば、それは
        もう効果が大きくてエジプト国民に受け入れられたのも当然だと思い
        ました。実際どうだったかはきっとわからないでしょうけど・・・・
         
        ステラ * 洋書 * 14:23 * comments(0) * trackbacks(0) * -

        第1章(2)

        0
          JUGEMテーマ:読書

          英語の本、17ページまで読み終わりました。もうすぐ5歳になる少年が
          部屋に来たヘビに驚いて目を覚まし、そのヘビを母親の寝ている寝室ま
          で届けようとしたら、思いがけずその日にかぎって王が母の部屋に来て
          しまい、酔っぱらった王によって部屋から追い出されてしまい、運悪く石段
          を転げ落ちたのを若い見張りの兵士に助けられる、というような内容です。

          王と少年の母オリュンピアスはもはや仲のよい夫婦では全然なく、母の
          方はヘビを使っての密儀に夢中になり王は何人もの妻をめとりながらさ
          らに小姓にも手を出すという感じで互いに相手を罵るばかりです。オリュ
          ンピアスから見ればいくら最強の王でも何人も他の女がいてさらに小姓に
          までとくれば最悪の夫なのでしょう。そして少年の目から見ても母を襲おう
          と突進してくる父は1つ目巨人のようで怖ろしく憎しみの対象でしかなかっ
          たでしょう。大きくなって父を尊敬するようになっても、根本的にこの父と
          子は親しくわかり合うということが最後までなく、対立している間に突然父
          が暗殺されてわけがわからないまま王になってしまった、そんな気がし
          ます。

          母の身近にいつもいたので少年にとってヘビはそれほど怖い存在ではなか
          ったのでしょう。体に巻き付けて運び、自分の守り神とさえ思っています。
          若い兵士はヘラクレスの話を少年にする時、ヘビを握り殺したというところは
          詳しく話していません。赤ん坊のヘラクレスが両手でヘビを掴んで握り殺す
          という場面、字で読んでいるとそれほどでもありませんが、映画などで実際
          に見るとかなり怖くなるのでは・・・1つ目巨人が船乗りを食べるなどギリシャ
          神話では映像を想像すると怖ろしい場面がたくさんあります。

          父への怖れや憎しみとは逆に少年は助けてくれた若い見張りの兵士には
          親しみを感じています。王宮の見張りをするくらいだから同じ兵士の中でも
          彼はエリートコースにいるのでしょう。日頃乳母や侍女など女ばかりに囲ま
          れて育っているので若い男の人に触れられるとそれが逆に特別なことのよ
          うに感じてしまう、こうした環境で性癖なども形作られてしまうのかなと思って
          しまいました。
           
          ステラ * 洋書 * 15:11 * comments(0) * trackbacks(0) * -

          Fire from Heaven 第1章(1)

          0
            JUGEMテーマ:読書

             この本は1度最後まで全部読み終えたのですが、最初の方は5年以上
            前に読んでいてかなり忘れているのでもう1度読み返してみます。忘れて
            いるといってもストーリーや登場人物はだいたい覚えているので、1回目
            の時ほどは時間はかからないと思います。

            アレキサンダーの少年時代を書いたこの本はもうすぐ5歳になる子供が
            蛇に驚いて目をさましたところから始まります。同じ部屋に寝ているのは
            妹のクレオパトラと乳母たち、小さな頃から彼らは母親とは別の寝室で
            寝かされていました。

            それが母オリュンピアスの蛇だとわかったので、子供はたいして驚きもせず
            母の部屋に蛇を返しにいこうとします。アルケラオス王の時代に作られた
            立派な王宮の中、それはおそらく中世の城のように大きな建物ではなく
            いろいろな部屋が通路や階段を使って結ばれたものだったのでしょう。小さ
            なアレキサンダーは彫像の後ろに隠れたりして見張りの目をごまかしなが
            ら無事母の部屋にたどりつきます。母の寝室に行く階段の下にもやっぱり
            見張りがいて、王以外は誰も入れないと盾を持ち槍を構えて立っていました
            が、彼が他へ行っている間に無事通りぬけました。

            母オリュンピアスの部屋は豪華だけど映画にも出てきたように蛇が部屋の
            中にいて不気味な感じに書かれています。蛇以外にも母はいろいろな魔術
            を使う人のようで、化粧品や香料と一緒にそうした道具もテーブルの上に
            並べられていて、それを見ながら彼は母のベッドに近づきます。壁には
            「トロイの略奪」の大きな壁画があって、木馬と一緒にギリシャ人がトロイ人
            を殺す絵が描かれている、アレキサンダーはその部屋で生まれたので本当
            に神話と魔術に囲まれて育ったようです。

            寝ていた母が目を開け、息子が来ていることに驚いて、誰が入れてくれたのと
            尋ねます。彼は前に見張りの男が処刑される場面を見ているので、気をつか
            ってママが呼んでいたから来たと告げたと嘘をつきます。父フィリッポス王は
            その日は酔っぱらって広間で騒いでいるし、他にも妻はたくさんいてさらに小姓
            や侍女とも関係を持っているのに、それでも王が来る前に王妃の部屋に来る
            侵入者を許してしまったら見張りは死刑というような厳しい掟があったようです。

            4歳の子供らしく蛇と一緒に母のベッドにもぐりこむ少年アレキサンダー、
            無邪気に「ママはいつ僕と結婚してくれるの?」と尋ねます。マザコンだったと
            も言われるアレキサンダー、母が若くて美しく、早くに引き離されて、しかも母
            は王である夫を嫌い息子を溺愛していたとなればそうなるのも無理はないと
            思いました。アレキサンダーが蛇を見せ、驚きながらもこの蛇は神が遣わし
            たお前のダイモン(精霊?)だと言う母、妖しい雰囲気での母と子の濃密な時間
            は遅くにやってくる闖入者(父フィリッポス王)によって壊されてしまいます。
            最初の段落は10ページ以上と長かったので、ここで区切りました。

            この部分は他の伝記などにはのってないのですが、母オリュンピアスが蛇
            を持っていたことは記録に残っているし、映画や漫画でも必ず蛇が出てくる
            のでまず間違いないと思います。蛇を扱う美しくも妖しい母へのあこがれや
            思慕の念、アレキサンダーの幼いころの記憶でこの母は強烈な印象で残っ
            て、彼の性格の基礎を作ったのだなと感じました。
            ステラ * 洋書 * 14:00 * comments(0) * trackbacks(0) * -

            Fire from Heaven 第8章(24)

            0
              JUGEMテーマ:読書

              最後の作者後書きの部分を読みました。これでこの本を一通り
              読み終わったことになります。

              後書きとして原典となった本、作者が付けくわえたフィクションの
              部分、そして特にこだわったことがらについて書かれていました。
              アレキサンダーについては同時代の人が書いたものは今日では
              すべて失われてしまい、後の時代に書かれたものから推測する
              しかないようです。古代ギリシャ展を見て、彫像のほとんどはオリ
              ジナルは失われていてコピー作品から想像するしかないということ
              がよくわかったのですが、アレキサンダーの生涯もまた同時代の
              人が書いたものは失われ、引用されたものや伝説が語り伝えられ
              もとの人物像と大きくは違ってないだろうけどやっぱり有名な逸話
              や伝説が繰り返される中膨らんでいった部分があるのではないか
              と感じました。

              作者がこだわった部分としてはやはりヘファイスティオンとの関係
              でしょうか。この本には出てこないトロイでのエピソードやダレイオス
              王の母が背の高いヘファイスティオンを王と間違えた時に彼もまた
              アレキサンダーであると言った話、そして葬儀の話などが詳しく書か
              れていて、精神的にどれだけ強い絆があったかがよくわかるように
              しています。この本が書かれて出版された時にはおそらくまだ後の
              2冊は書かれてなく、だからこそ作者は後の2人について紹介した
              かったのでしょう。

              ディオニュソスの儀式のことについて、作者はこれはフィクションだけ
              ど心理学的にはこういう状態だっただろうから事実でもあると書いて
              いたことが印象的でした。実在の人物についての小説や漫画はどう
              してもフィクションが加えられる、それは事実ではないけれどその話
              を入れることで人物像がよくわかり心の動きがわかるなら事実以上の
              真実がそこにあると思いました。祭りの儀式の中で母オリュンピアス
              がやったことは恐ろしくてぞっとしたけど、実際にこの母は何人もの人
              を殺しているし、自分のために人殺しをし、悪い噂もいっぱいある母と
              いうのは精神的にものすごく圧力をかけるだろうと想像できるし、その
              イメージとしての儀式の場面、思春期のアレキサンダーがそのことで
              どれだけ傷ついたかというのがよくわかりました。小説は事実とは違う
              かもしれないけど、事実以上の真実が含まれていることがあると思い
              ます。

              この本は英語で読んだのでかなり時間がかかってしまいましたが、
              自分で翻訳しながら読んだことで、1つ1つのエピソードや人物の
              性格などが自分で書いたと思えるくらい細かく記憶に残りました。
              アレキサンダーに関する本は他にも何冊も読み、自分もいろいろ書
              いたりしたのですが、この本での性格やエピソードの選び方などは
              かなり自分のイメージに近く読みやすかったです。続編もまたこれ
              から何年かかるかわからないけど全部読んでみようと思っています。 
              ステラ * 洋書 * 19:35 * comments(0) * trackbacks(0) * -

              Fire from Heaven 第8章(23)

              0
                JUGEMテーマ:読書
                 
                 とうとう最後のページまで読み終わりました。最初に読み始めた時から
                5年以上過ぎ、特に7章、8章は途中中断したりしてなかなか先に進まな
                かったのですが、今年になってからは時間を見つけてこまめに読み、特に
                7月に入ってからちょうど仕事も辞めていたので家に引きこもって1日数時
                間読んでました。

                最後の章はフィリッポス王が暗殺された時、アレキサンダーやヘファイス
                ティオンがどう行動していたかが主なテーマになっていました。この時友人
                としてペルディッカスとレオンナトスが登場しますが、プトレマイオスやハル
                パロスはまだ追放されたままだったのでしょうか。とにかくヘファイスティオン
                は結婚式のショーを喜んで見学しています。最初パレードでアレキサンダー
                に声をかけ、さらに舞台に上がった時も声援を送ろうと待っている、まさか
                こんな時に暗殺事件が起こるとは彼らは予想だにしなかったでしょう。

                フィリッポス王が暗殺されたことで劇場の観客も護衛兵たちも大騒ぎとなり
                ます。特に衛兵などは隊長のパウサニアスが殺したのですから自分たちも
                疑われるのではないかと不安になりパニックになるでしょう。大ぜいの観客
                がいるすぐそば、護衛隊長が犯人ということで、実際の出来事とは信じがたい
                ドラマか小説のようです。

                アレキサンダーはこの時父が死ぬのを直接見ています。これはやっぱり彼
                の心の傷となって人格に大きな影響を及ぼしたように思います。この本で
                かなり具体的に死んでいく様子が書いてあるのですが、その衝撃が大きいか
                らこそ暗殺計画には神経をとがらせ、陰謀の計画を知っていたのに報告しな
                かったと言う理由でフィロタスを拷問、処刑した厳しさもそういう理由があった
                からなのだと少し納得できました。

                暗殺の実行犯になったパウサニアスはペルディッカスが間違って殺して
                しまいますが、彼の場合むしろ殺されてよかったなと思いました。最後アレ
                キサンダーがパウサニアスの死体は見せしめのため磔にしろと言っている
                場面があるのですが、これが生きて捕まったらかなり酷い殺され方をしたに
                違いありません。そうなることがわかっていてなんでパウサニアスは王を
                暗殺したのか、やっぱり誰かそそのかして手助けすると言う者がいたように
                思えました。小説では地方部族の族長、アテナイ人、などいろいろなところ
                から来た人間が集まって暗殺の計画を立てている場面があり、マケドニア
                人も仲間に加わっているように書かれていましたが、本当に誰がどう関わって
                もおかしくないと思いました。

                事件の後中心となって働くのはアンティパトロスでした。この時パルメニオン
                将軍とアッタロスはもう先発隊としてアジアへ渡っていたはずです。フィリッポ
                ス王が暗殺されてすぐアッタロスやエウリディケは殺され、アレキサンダーは
                マケドニアの王となりますがこの本ではそれは書かれていませんでした。
                映画では暗殺されてその場ですぐ王に即位していますが、実際にはいろいろ
                あってすぐ即位と言うわけにはいかなかったのでしょう。でもこの事件でアレキ
                サンダーは20歳の若さでマケドニアの王となり東方遠征に行く、これがきっか
                けで世界の歴史は大きく変わりました。

                ところで結婚式の主役、エペイロスのアレクサンドロス王とクレオパトラのこと
                はこの章ではほとんど書いてありませんでした。2人は無事結婚して子供も
                生まれるのですが、アレクサンドロス王はアレキサンダーとは逆方向のイタリア
                へ遠征へ行って戦死、クレオパトラは後継者争いの中で殺されてしまいます。

                翻訳されたものと違って英語の本を直接読むのはかなり時間と根気が必要で
                した。でもそれだけ人間関係や出来事、城の中の様子や咲いている花まで
                辞書で調べたので詳しく知ることができてよかったです。
                ステラ * 洋書 * 20:19 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                Fire from Heaven 第8章(22)

                0
                  JUGEMテーマ:読書

                  365ページまで読み終わりました。第8章の、いやこの本全体のクライ
                  マックスともいえる結婚式と暗殺の場面、それだけにページ数は多くて
                  読みおわるのに時間がかかりましたが、1番おもしろく興味深いところで
                  もありました。

                  フィリッポス王暗殺の舞台となったのはマケドニアの古都アイガイの劇場、
                  その日は王の娘クレオパトラとオリュンピアスの実の弟でモロッソイの王
                  でもあるアレクサンドロスの結婚式が行われました。娘の結婚式であって
                  もこの日の主役は完全にフィリッポス王、映画にもありましたがオリュン
                  ポス12神と自分自身を神に見立てた13の巨大な彫像を作って派手な
                  パレードを行います。ギリシャ中から来る招待客に自分の力を見せつけ
                  ようとしていました。

                  そんな得意絶頂の時にいきなり暗殺されるのですから皮肉です。犯人の
                  パウサニアスはフィリッポス王の小姓を務め、大人になってからは衛兵
                  隊長になっていた男です。もっとも信頼していた相手にいきなり殺されて
                  しまう、動機はパウサニアスの個人的な恨みでした。王の寵愛を受けてい
                  たパウサニアスは後から来た同じ名前の少年に嫉妬して罵倒、少年は
                  戦場で王を守り自殺同然に死んでしまいます。死んだ少年と親しいアッタ
                  ロスが復讐のためパウサニアスを騙して酔わせ、野蛮な男達に襲わせる
                  ということをしました。フィリッポス王に訴えても王は何もしてくれない、頭
                  にきてとうとう王を殺してしまったというわけです。

                  とまあフィリッポス王暗殺について犯人と動機はしっかりわかっているの
                  ですが、どうも納得できないことがあります。なぜパウサニアスは他に
                  いくらでも王を殺す機会があったのにわざわざ昼間、人の多い結婚式
                  の時に暗殺を実行したか、そして自分が凌辱されて8年もたった後でそ
                  れを行ったかです。このことについては昔からいろいろな説が出ています
                  が、この本では暗殺を計画する者達が、王の暗殺は王子アレキサンダー
                  も知って望んでいることだとパウサニアスをだまし、その証拠としてアレ
                  キサンダーのところから盗んだ指輪を見せています。次の王になる可能
                  性が高い王子が知っているなら自分は罪に問われないし逆に出世でき
                  る、そう期待して8年たったときに実行したというなら納得しやすいです。
                  王子公認ならなぜ人の多い時に実行したかもわかりますし、他国の者
                  が計画に加わっていても招待客としてそばにいてあやしまれないという
                  メリットがあります。

                  結局パウサニアスは王暗殺の後、誰にも助けられずに1人で逃げて殺さ
                  れてしまいます。これもなぜ殺してしまったのか疑問ですが、この本では
                  王暗殺という事情を知らないレオンナトスとペルディッカスが追いかけて
                  殺してしまったというストーリーにしていました。この2人、この時期にマケ
                  ドニアにいたということは追放されていなかったのか、それともフィリッポス
                  がパレードで気持ちも大きくなり、アレキサンダーの友人が戻ってきてい
                  ても大目に見ていたのかもしれません。パウサニアスを殺したのがアレキ
                  サンダーの友人、レオンナトスやペルディッカスだということは記録に残っ
                  ているのでしょうか。だとしたら彼らは何かを知っていて口封じのために
                  殺したかもしれないと考えてしまいました。

                  父フィリッポス王の暗殺によりアレキサンダーは20歳でマケドニアの王
                  に即位し、東方遠征で世界の歴史を大きく変えます。そのきっかけに
                  なった事件が個人的な恨みが原因というのが歴史の皮肉だと思いまし
                  た。暗殺された王の遺体は20世紀になってたくさんの埋葬品と一緒に
                  発見されています。でもそのミイラはアレキサンダーの父フィリッポス2世
                  のものではなく異母兄アリダイオスではないかという説もあります。アレ
                  キサンダーの死後アリダイオスもフィリッポスと名前を変えて王に即位し
                  同じ40歳くらいで死んでいるのでどちらのものか決め手となる証拠が
                  ないようです。ギリシャのパンフレットには父フィリッポス2世の墓だと
                  はっきり書いてありましたが、暗殺の黒幕はいたのか、発見された遺体
                  は誰のものかなどフィリッポス2世に関する謎はたくさんあって興味深い
                  です。

                   

                  ステラ * 洋書 * 10:56 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                  Fire from Heaven 第8章(21)

                  0
                    JUGEMテーマ:読書

                     357ページまで読みました。短い段落が続いていたので、3つ分まとめ
                    て読んでしまいました。

                    1つ目の場面はデルフォイから使者が来て神託を聞くために家臣たちや
                    アレキサンダーがペルセウスの大広間に集まっていました。アポロンの
                    言葉を聞くみこは洞窟に入って岩の割れ目から出てくる蒸気を吸って正気
                    を失い、それを神官が聞きとって解釈します。現代の私達はこんなことで
                    神の言葉がわかるのかと疑問に思うのですが、古代ギリシャの人々は皆
                    真剣に信じていたようです。

                    みんなが集まっている場所に少し遅れてフィリッポス王も入ってくるので
                    すが、王は足をひきずっていて、ひざをうまく曲げることもできずに前の
                    方に投げ出して王座に座り、かなり太ってきていて動きもにぶくなっている
                    と作者は容赦なく書いています。そして伝令官が神託を読み上げ、目的は
                    実行されるという言葉を聞いて皆ほっとします。目的とはアジアへの遠征で
                    そのためにフィリッポス王は祭壇に雄牛を生贄として捧げていました。きち
                    んと供物を捧げればそのお礼に勝利を与えてくれるなんて神様としてどう
                    なのかなと思ってしまうのですが、この時代の人にとってはそうやって神に
                    供物を捧げることが勝利も左右し何よりも大事なことだったようです。

                    つぎにパウサニアスが1人の男と話している場面になります。パウサニアス
                    が彼と言っているのが誰のことなのか最初わかりにくかったのですが、後の
                    指輪の話からアレキサンダーのことを言っているのではないかと推測して
                    読んでいきました。その男はパウサニアスに暗殺を望んでいるのは王子アレ
                    キサンダー(王妃オリュンピアスも?)であるから何も心配しなくてよいと話し
                    ています。王子の命令で彼が次に王位につけば身の安全は保障されます
                    がパウサニアスは信用できない、そこで男はある指輪を見せます。

                    そして3つ目の段落ではアレキサンダーとヘファイスティオンが指輪をなくし
                    たことについて話していました。自分のライオンの指輪がなくなったが家臣
                    の1人が衣装箱の中から見つけてくれたと、ヘファイスティオンはその男が
                    盗んだけど怖くなって返したのではないかと言っています。前の段落と合わ
                    せてようやく話が呑み込めました。王の暗殺を計画する男達がアレキサンダー
                    の指輪を盗んでパウサニアスに見せ、この計画には王子も関わっているか
                    らと安心させ、そしてまた衣装箱の中に戻したようです。

                    この部分はフィクションでしょうけど、暗殺がパウサニアスの個人的な恨み
                    からだけで起きているわけではなく、彼を煽ったり安心させたりした者が他
                    にいたという説には納得できました。パウサニアスの個人的な恨みで彼が
                    自分も死ぬ気で王の暗殺を企てたなら8年前に実行すればよかったのだ
                    から、誰か関わっていたのだろうと思っていました。この本ではアレキサン
                    ダーは知らなかったけど彼を利用して暗殺をパウサニアスに実行させようと
                    した者がいたということで、事実かどうかはわからないけどありうること、小説
                    として納得できる話だと思いました。

                    ステラ * 洋書 * 11:30 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                    Fire from Heaven

                    0
                      JUGEMテーマ:読書

                       355ページまで読みました。この段落にはアレキサンダーと
                      妹のクレオパトラ、そして母オリュンピアスが登場します。

                      妹のクレオパトラは映画には登場しませんでしたが、フィリッポス
                      王の暗殺は彼女の結婚式の最中に行われました。だから結婚式
                      が近いということはそれだけ暗殺のカウントダウンが始まってい
                      るのですが、もちろん本人や周りの人はそんなことは夢にも思っ
                      ていないでしょう。

                      アレキサンダーには異母兄のアリダイオスの他に何人かの母親
                      の違う姉や妹がいたようですが、同じ母のクレオパトラには特別
                      親しみを持っていたようです。(というか他の異母姉妹に関しては
                      かなり冷淡でテッサロニケなどは30近くまで結婚もせずにほって
                      おかれ、キュンナの夫でアレキサンダーの従弟になるアミュンタス
                      は謀反の疑いをかけられ殺されている)この小説でも何度か妹の
                      クレオパトラは登場しています。

                      妹が兄に結婚の衣装を見せるという微笑ましい場面から始まり
                      ます。クレオパトラは子供の頃は太っていたとこの本には書いて
                      ありましたが、結婚間近には痩せて美しくなり、母の弟である結婚
                      相手アレクサンドロスはエペイロスの王でもあるので王妃として
                      の威厳も出てきたと書かれています。ただクレオパトラのその後
                      の人生を考えると結婚式の当日父が暗殺され、エペイロスに嫁い
                      で数年後には夫がイタリア方面に遠征して戦死する、そしてアレキ
                      サンダーの死後は後継者争いに巻き込まれて殺されると不運続き
                      で、この頃が一番幸せだったのかもしれません。

                      アレキサンダーとクレオパトラの会話の中にオリンポス12神と一緒
                      に父フィリッポスの彫像も作られてパレードに出るという話が出て
                      きます。これは映画の場面にもあったので本当にそのようなことが
                      行われたのかも、フィリッポスにとっては娘の結婚を祝うというより
                      も自分の力を他の国の人間に見せつける絶好の機会だったので
                      しょう。いよいよペルシャ東方遠征にも出かけるという得意満面の
                      時にいきなり暗殺、しかも犯人は昔小姓として寵愛し、今は衛兵隊
                      長になっているパウサニアスだったのですからずいぶん皮肉な話
                      です。でもマケドニア王家はアレキサンダーのお祖父さんにあたる
                      アミュンタスも同性愛のもつれで暗殺されたりと昔からそういうスキャ
                      ンダルがあったみたいです。

                      もちろんこの段階でアレキサンダーは自分の父が暗殺されるとは
                      夢にも思っていないので、ひたすら東方遠征に参加して後継者と
                      して認めてもらうことを望んでいます。戦いで実力を見せることが
                      自分に残された最後の道と思い込み、それが父王の暗殺で状況は
                      一変して今度はいきなり自分が即位することになる、変化が激しい
                      からこそ今度は自分が東方遠征に情熱を燃やすしかなくなってし
                      まうのかな、と思いました。

                      ステラ * 洋書 * 15:24 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                      Fire from Heaven 第8章(19)

                      0
                        JUGEMテーマ:読書

                        354ページまで読み終わりました。この段落も文章は短い
                        のですが、代名詞が多く使われ、誰が何を話しているのか
                        Iやyouをどう訳せばよいか迷うところでした。

                        パウサニアスという名前が出てくるので、話の中心は彼に
                        ついてだということはすぐわかりました。パウサニアスがど
                        こかの家に言って重大なことを聞いてしまったようです。

                        パウサニアスはフィリッポス2世の寵愛を受けた小姓でし
                        たが、新しく来た同じ名前の若い小姓にその座を奪われて
                        嫉妬しののしったところ新しい小姓は戦場で王を守って自殺
                        同然に死んでしまいます。それを知った友人のアッタロスが
                        パウサニアスを騙して酔わせ、ラバ追いの男達をけしかけて
                        暴行させ、パウサニアスは王にそのことを訴えたけど王は
                        彼を衛兵隊長にするもののアッタロスを罰するようなことは
                        せず、そのことを怨みに思ったパウサニアスがついに結婚式
                        の日に王を暗殺してしまいます。

                        そのような背景を知っていればこの部分はあのパウサニアス
                        についてかとわかるのですが、知らないとなんのことだかさ
                        っぱりわからないだろうなあと思いました。この小説では前の
                        段落で暗殺計画(すぐ殺されてしまうので計画だけで終わる?)
                        が書かれていましたが、ここでは7,8年前にアッタロスにひど
                        いことされたパウサニアスがなぜそのことを何年もたって蒸し
                        返してしまうのかについて書かれていました。

                        話に出てくるのは客人としてある家を訪れたパウサニアスと
                        その家の主、そして息子です。その家の息子がうっかり王様
                        がこんなことをみんなの前で話していたよ、というようなことを
                        しゃべってしまい、それでパウサニアスは再び侮辱されたと
                        怒りに火がついたようです。この時アッタロスはもうアジアに
                        向かっていたので、結果フィリッポス王が狙われたのかもし
                        れません。

                        王の暗殺理由が侮辱されたからというのは、現代の私達では
                        考えられないのですが、それだけこの時代の人が名誉を重ん
                        じていたのかもしれません。パウサニアスもいろいろあっても
                        衛兵隊長という立派な地位をもらい、妻がいて立派な家に使用人
                        もいるのだからそれでいいじゃないと思ってしまうのですが、そ
                        れでは収まりきらないほど怒りは大きく、結果王の暗殺という
                        大それたことをしてしまいます。あれほど他の国から怖れられ
                        暗殺計画も出ておそらく高い報奨金がかけられていたフィリッポ
                        ス王が自分が信用していた衛兵に暗殺されるとは随分皮肉な
                        ことだと思いました。 
                        ステラ * 洋書 * 15:47 * comments(0) * trackbacks(0) * -
                        このページの先頭へ