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    違う立場

    0
      JUGEMテーマ:漫画/アニメ

      好きな架空の人物をあげるとしたら、映画部門では「指輪物語」
      のファラミア、漫画では「チェーザレ」のミゲルです。架空の人物
      でもその人に心底ほれ込み、その人になりきっていろいろ想像
      すると思いがけない考えが浮かびます。映画や漫画に夢中に
      なるということは、自分とまったく違う立場の人物の考えや思想
      感情などもわかってくるということだと思います。

      私はミゲルに夢中になって、あの時代にユダヤ人がどういう状況
      に置かれていたかについてとても敏感になりました。15世紀、ス
      ペインではイスラム教徒との戦いで領土を広げていくなか、ユダヤ
      人への弾圧も行っています。そしてイタリアのフィレンツェでサヴォナ
      ローラのような狂信的な人間が実権を握ったということはユダヤ人
      のミゲルにとっては大きな脅威だったと思います。メディチ家のロ
      レンツォが健在だった頃、フィレンツェはルネサンスの文化が栄え
      芸術や思想が保護されていました。でも1492年を境にフィレン
      ツェは大きく変わります。ピコ・デッラ・ミランドラのような人文学者
      までサヴォナローラに傾倒してしまうのですから、その影響力は大
      きく、混乱した時代で不安になった市民を巻き込んで熱狂させ、異
      教徒迫害に乗り出すのですからたまったものではありません。

      けれどもサヴォナローラの神権政治は長くは続かず、やがて異端者
      として処刑されます。そのきっかけになったのが別の修道会からの
      火の試練の挑戦でした。同じキリスト教修道院でありながら、宗派の
      違いによる勢力争いや憎み合いがあったようです。これがうまくいか
      ず市民の信頼を失ったサヴォナローラはチェーザレの父アレクサンドル
      6世によって異端者とされます。ミゲルにしてみれば1番の敵で脅威
      であった人物を倒してくれたのですから、このことだけでもボルジア家
      に生涯忠義を尽くせると思いました。そして教皇アレクサンドル6世は
      亡命してきたたくさんのユダヤ人をローマに住まわせました。それは
      金持ちのユダヤ人からたくさん税金が取れるとかボディーガードとして
      役立つなど世俗的な理由があったからかもしれませんが、純粋な教理
      に走って異教徒は追い出せ、皆殺しにしろと叫ぶ熱狂的な人物が最高
      権力者になるよりも、ユダヤ人にとってはるかによいことだったと思い
      ます。

      漫画の登場人物に夢中になることで、違う立場の人間から見たらどう
      かということを常に意識するようになりました。そして異なる立場の人
      間がどう思うか、想像力を働かせ考えることが、今の時代必要になっ
      ていると思います。
      ステラ * コミック * 09:48 * comments(2) * trackbacks(0) * -

      ジャンヌ・ダルクの漫画

      0
        JUGEMテーマ:漫画/アニメ

        モーニングで新しくジャンヌ・ダルクをテーマにした漫画の
        連載が始まったと聞いて、さっそく雑誌を購入して読んでみ
        ました。

        ジャンヌ・ダルクについては前から興味があったのですが、
        その死があまりにも怖ろしくトラウマにもなっていました。
        そのジャンヌの生涯が、バレエ漫画を読んで美しいだけでな
        いシビアな世界に深く感動した山岸先生の絵で漫画化されて
        読めるというのはとてもうれしいです。

        歴史上の人物、しかもジャンヌ・ダルクのように様々な小説
        やドラマ、映画になっている人を漫画化するのは制約も多い
        し、複雑な歴史的背景も説明しなければならない、さらには
        宗教の問題も出てくるのでとても大変だと思います。それで
        もこのテーマを選んだことに作者の強い意志を感じました。

        冒頭、いきなりジャンヌが死刑を宣告され、牢獄から連れださ
        れるショッキングなシーンから始まります。馬車に乗せられ
        魔女だと罵られる中、あれはなんだったのかと問いかけて回想
        します。平凡な村娘だった頃の風景、でも一見平和な村でも
        地主と小作の階級差があり、派閥の違う者は肩身が狭く、さら
        に別の村が派閥の違う傭兵によって焼き打ちされる、なんてこ
        とまであります。日常の細かいところを描きながら、自然にその
        時代の生活、現実がわかってくるのは漫画ならではです。百年
        戦争がなぜ始まったかも王家の家系図で詳しく説明してありまし
        たが、このあたりはぱっと見ただけではなかなか理解できません。
        とてもややっこしいところです(笑)

        漫画は小説や映画と違ってすぐに先がわからないで、長い連載が
        続き、そこから同じファンの人とあれこれ想像する楽しみがあり
        ます。また視覚的に声や光をどう表現するか、とても楽しみです。
        ステラ * コミック * 17:33 * comments(2) * trackbacks(0) * -

        「チェーザレ」95話

        0
          JUGEMテーマ:漫画/アニメ

          このブログでの本や漫画、映画などの感想はあくまでも
          私個人が感じたことであって、きちんとした批評ではない
          ということを了解して読んでください。ネタバレもあります。

          今回はアンジェロの手紙という形でヴァチカンでの生活が
          紹介され、そしてフィレンツェに戻ったアンジェロがミゲルと
          再開するなど盛りだくさんの内容でした。

          教皇の座をめぐっての枢機卿達の争いはすごいです。小説
          の「神の代理人」も読んだのですけど、そのタイトルがすごく
          皮肉に聞こえます(笑)ただ争いの当事者は信仰心がない
          わけではなく、自分の一族の繁栄を目的としながらも我こそ
          は神に選ばれた者という自負心がある、自分が正義という
          自信があってそこに迷いがないから上に立つためにあらゆる
          手段を使うしライバルに対して情け容赦ないです。のんびり
          したピサの大学からそういう争いの中心地へ行ったジョヴァン
          ニとアンジェロですが、そこでの身の処し方というものも徐々
          にわかってきてたくましくなっています。

          「神の代理人」では60歳を過ぎて教皇になってから、自ら
          甲冑を身にまとい嫌がる枢機卿を無理やりひきつれて戦場
          に行ったジュリアーノ・デ・ラ・ローベレ、枢機卿時代からその
          迫力は十分すぎるほどあり、ジョヴァンニを怖がらせていまし
          た(笑)

          メディチ家の当主となったピエロの考え方はチェーザレの期待
          を完全に裏切るものでした。そのフィレンツェの様子を探るため
          にミゲルが来ていてアンジェロと再開します。乳母のマリアは
          喜んでミゲルを迎えるのですが、2人の会話は再開を喜ぶ旧友
          というだけではない複雑なものになっていました。

          今後チェーザレのボルジア家とジョヴァンニのメディチ家は微妙
          な関係になり、それぞれの従者であるミゲルとアンジェロも旧友
          に会って喜んで腹を割ってなんでも話すというわけにはいかなく
          なっています。お互い自分の立場を考え、探りあいをしているわ
          けですが、それでも相手への友情や尊敬は続いている、こういう
          関係は実は私大好きです(笑)なんの障害もない仲よしというの
          ではおもしろくない、身分の差や主従関係があったり、立場上敵
          になるかもしれない相手への友情、これこそ私の一番の感動の
          ツボなので、今回はミゲルとアンジェロの会話があってそれだけ
          で大満足でした(笑)
           
          ステラ * コミック * 16:50 * comments(0) * trackbacks(0) * -

          チェーザレ、93話

          0
            チェーザレの93話を読みました。今回のメディチ家ロレンツォ
            の死がテーマで、深い内容だと思ったので雑誌を購入しました。

            ルネサンス期に関する書物を読んでいると、メディチ家がどれほ
            ど大きな役割を果たしたか、中でもロレンツォがどれほど偉大な
            人物で絶妙なバランスで政治のかじ取りをしていたかが書かれて
            います。その重大人物の死は漫画の中とはいえかなりショックで
            した。壮絶な死ではなく、ジョヴァンニが教皇になる夢を見てそのこ
            とを側近に話し、眠るような穏やかな最期だったのですが、それだ
            けにいっそう心にしみわたるものがありました。

            途中哲学者のピーコ・デッラ・ミランドラとサヴォナローラがロレン
            ツォのお見舞いにくるシーンがありました。「人間の尊厳につい
            て」で有名なピーコと過激な宗教思想を持ったサヴォナローラ、
            教科書にも出てくるこの2人が日常的な会話をしてお見舞いに
            来る、哲学者も宗教者も年がら年中その主張だけを考えて激し
            く演説してたわけではなく、それなりの日常生活があってさりげ
            ない会話や周りの人との触れ合いがあった、そんなことを感じさ
            せてくれるシーンでした。そしてロレンツォその人も弟の死を悲し
            み、子供や妻との関係に悩みと人間らしい感情を持ちながら生
            きていた、漫画ではそういった心情が丁寧に描かれているので、
            他の本を読んだ時には感じなかった共感を覚えました。

            ロレンツォの死で落ち込むジョヴァンニを慰め、そして叱り飛ばすロ
            ドリーゴ、ボルジア家は悪役として描かれることが多いけど、こうし
            た人間的な大きさや偉大さも持ち合わせていたからこそ敵も多かっ
            たけど有能な人を味方につけトップに立てたのだとあらためて思い
            ました。漫画はそれぞれの人物の立場でいろいろなことを考えさせ
            てくれます。
            JUGEMテーマ:漫画/アニメ
            ステラ * コミック * 09:17 * comments(0) * trackbacks(0) * -

            英雄はマザコンが多い?

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              JUGEMテーマ:漫画/アニメ

              先日ブログで知り合った方と実際にお会いする機会
              があり、「T・E・ロレンス」という漫画のことも
              話題になりました。

              この漫画が雑誌に連載されていた時私はまだ20代で
              した。その当時の私は宗教や私生児という立場がよく
              わかっていなかったので深くは理解できなかったので
              すが、それでも強い影響を受けた漫画の1つです。

              映画「アラビアのロレンス」のモデルになったロレンス
              は両親が正式には結婚していない家庭に生まれ(5人
              兄弟だったけど)自分は罪の子だという意識を強く持ち
              さらに十字軍が侵略と略奪の歴史だということを知って
              歴史研究にのめり込みます。遺跡調査でアラブに通う間
              にイスラム教を信仰し過酷な砂漠に暮らすアラブの民の
              中に自分の居場所を見つけ、そしてアラブの民に熱烈に
              愛されてカリスマ的な指導者になっていきます。出生の
              秘密や母への複雑な気持ちのコンプレックスがキリスト
              教の世界観に疑問を持たせてアラブへ導き、またそうい
              うコンプレックスを抱えた異邦人だからこそ周りにいた
              人がほっておかない、英雄へと祭り上げられてしまった
              のでしょう。漫画では映画ではほとんど触れられていな
              いアラブを去った後のロレンスについても丁寧に描かれ
              ていて、自分の理想とイギリスの思惑が大きく食い違い
              自分も結局先進国の手先となって働いただけなのかとい
              うロレンスの苦脳の大きさに胸を突かれました。コンプ
              レックスがあるからこそ周りの人間を巻きこんで歴史を
              大きく変え、理想と現実の違いに絶望するロレンスの姿
              に深い感動を覚えました。

              私の好きなアレキサンダー大王もマザコンという点では
              相当なものです。母オリュンピアスは元々王女でプライド
              も高くさらにはディオニュソスを深く信仰していて、妖術
              を使い、息子を王にするためにあらゆる手段を使ったと言
              われるくらい強烈な個性の女性です。こんな母に幼い頃か
              ら「お前は英雄アキレスとヘラクレスの血を引いているの
              です」と言われて育ったアレキサンダー、20歳の時に
              父フィリッポス王が暗殺されてマケドニアの王位を継ぎ、
              その後は母の願いどおり東方遠征に行って大帝国を築き世
              界の歴史を変える英雄となります。

              英雄というのとは少し違うけど、チェーザレ・ボルジア
              やレオナルド・ダ・ヴィンチなども私生児として生まれ
              幼くして母親から引き離されて育ったコンプレックスが
              その人生を決定づけ大きなエネルギーを与えたようにも思
              えます。

              母親がべったり一緒にいて自分の思想や願望をありったけ
              注ぎこむ、あるいはまったく育てられない状況にいる、歴史
              に登場する人物はその両極端のどちらかの人がとても多い
              ように思えます。そしてどちらも英雄や天才ともてはやされ
              ているけれど、その生涯が穏やかで幸せだったとは言えない
              のも事実です。今の時代英雄は求められてなくて極端なコンプ
              レックスは周りから浮くばかりなので、自分の子供は英雄や
              天才にならなくていい(なれない)ほどよい子育てをして平凡
              な人生を送ってほしいと思っています。
              ステラ * コミック * 18:18 * comments(2) * trackbacks(0) * -

              原画展

              0
                JUGEMテーマ:漫画/アニメ

                ある化粧品の新商品が発売され、そのイメージキャラクターに
                私の好きな漫画の主人公が使われていて、記念の原画展も行
                われているので見に行きました。

                ビルの壁にドーンと大きな絵があって、真下からだと良く見えない
                一緒に行った友人があらかじめ向かいの良く見えるレストランの
                窓側の席を予約してくれていたのでそこからまずじっくり見ること
                ができました。

                そしてお目当ての原画展、正直とっても高い新商品のセールスさ
                れるのではないかとドキドキしていたのですが、声をかけられると
                かそういうことはまったくなく、じっくり漫画の原画を楽しむことがで
                きました。

                ほとんどの絵は漫画で見覚えがあるのですが、大きな原画は細か
                くて美しい、もう隅々までじっくり見ていました(笑)ただ同じ作者の
                原画でもどうしても気になってそこから離れられなくなる絵と割とあ
                っさり通り過ぎてしまう絵があります。私の場合は大好きな側近が
                描かれていたり、その視線で感慨深い絵に魅入られてしまいました。

                主人公がミサを行うために聖職者の正装をしているシーン、この姿
                を見た時、彼は見慣れているはずの相手でありながらその美しさや
                神々しさにドキっとしたのではないか、こんなにりっぱになってと感動
                するとともに、聖職者でいる間は自分には手の届かない遠い人の
                ように感じて寂しく思ったかもしれない、と頭の中でいろいろ想像して
                いました。2人が馬を走らせている時や倒れているのを上から見てい
                る時は、この瞬間は対等になれた、あるいは上から目線でいられると
                喜んでいたり(笑)なんて具合でやっぱり私が共感できるのは側近と
                いう立場の人間なのだと実感しました。

                化粧品の新商品は遠くから眺めただけです(笑)でも原画の絵と一緒に
                無意識にはしっかり記憶されていて、何かの拍子に自分の年齢と肌の
                衰えを実感し、そうだ、あの化粧品があったと飛びつくかもしれません。
                それが本当の狙いなのか・・・
                 
                ステラ * コミック * 10:10 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                チェーザレ84話

                1
                JUGEMテーマ:漫画/アニメ

                今週号の「チェーザレ」はいよいよ卒業式が始まり、とても
                興味深い内容でした。



                以下ネタバレがたくさんあります。


                まずは人があふれている卒業式の会場にやってきたベルナルド
                を上の階の控室へと案内するミゲル、そこからなら後ろ姿だけど
                よく見えるからです。スフォルツァ配下の人間をこんなところに通
                していいのかと(暗殺の心配?)問うベルナルドに対して、何かあ
                れば自分が始末する、ときっぱり言うミゲル、この一言に痺れま
                した。この漫画のミゲルはいろいろなチェーザレ関連の本やドラマ
                などと比べても完璧で理想的、私は主君と幼なじみの側近という
                関係が大好きですが、好きな側近ベスト3に間違いなく入ると思う
                くらいこの漫画でのミゲルはいいです。(テレビドラマのミケロット
                は好きでなかったけど)さらにこの控室はジョヴァンニやチェーザレ
                達を上から見下ろせる絶好の場所、側近でありながらけっこう上か
                ら目線で話すミゲルにぴったりの場所でした(笑)護衛という立場
                でその場所にいるのでしょうけど。

                いよいよ試験が始まって、ジョヴァンニとラファエーレの正装姿も
                見られます。この2人はこうした服装が本当によく似合う、見ていて
                ワクワクします。最初の質問は教皇から与えられた職務はその教皇
                の死後も効力をもつかどうか、ジョヴァンニは教皇職の威厳は永遠
                で、教皇が教皇として発したものは永遠だと見事に答えています。
                このような言葉は本の中活字で読んだらきっとなんのことかよくわか
                らないし、わからないまま反発してしまうと思うのですが、ジョヴァンニ
                という好きなキャラクターのセリフなので素直に読めました。これは
                要するに教皇が任命した枢機卿がその任命した教皇の死後も枢機卿
                の地位を保てるかどうかということで、もし任命した教皇が死ねばその
                時の枢機卿も総入れ替えすることになったら大変(笑)うまく権威や
                秩序を保つ理論体系がしっかりできあがっていて、それを聖職者に
                なろうとしている者は大学でしっかり学んでいるのだなということが
                よくわかりました。

                第2の質問は貴族と市民のどちらが指導的立場を持つのがよいかと
                いうもので、これもジョヴァンニは市民が指導者になるべきと市民感情
                をうまく読みとって答えていました。カトリックの理論や体系をどう一般
                市民に解説して伝え自分の指示を集めるか、ただ試験勉強をして答え
                を丸暗記するのではなく、自分の立場を考えて適切な答えを言う、当時
                の試験は今の入試などよりも遥かに難しそうです。まあ学生全部がこう
                した試験を受けて学位をとっていたのではなく、スペイン団のほとんど
                アルバロなどは護衛のため大学に行っていただけで、授業中は寝て
                いたと思いますけど(笑)

                第3の質問の結婚していた者は修道士になれるかどうか、これは昔
                結婚していたからでしょう、フランチェスコが困った顔をしていました。
                ジョヴァンニはうまく結婚した者でも修道士になれるという理論を答え
                ていましたけど。結婚していたということはもともと聖職者として育て
                られたわけではなかったのでしょうに、なぜ大人になってから突然修道
                士になる道を選んだのかその理由が気になります。逆に修道士だった
                のに駆け落ちして子供も作った(女遊びができなくなると言う理由で最後
                まで籍は入れなかったようだけど)画家のフィリッポ・リッピのことが思い
                浮かびました。この場合は理論的によいというよりも仕方なく特例が認め
                られたのでしょう。

                そんな質問と答えにピサーノの親方ピエトロは不満をぶちまけざわついた
                ところでチェーザレが最後の質問、銀行業は神の教えに背くのではない
                かとメディチ家の痛いところを突くような鋭い質問を皆の前でします。これ
                は予想外でびっくりしました。私はきっとチェーザレは答えやすくはない
                けど、ジョヴァンニの知性の高さを証明するようなよい質問をして、卒業式
                を無事終わらせてあげると思っていたのですが、見事などんでん返しで
                した。でもこういう意外性があるからこそ漫画や本は楽しいので、次週ジョ
                ヴァンニがどう答えるかとても気になります。
                ステラ * コミック * 08:52 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                チェーザレ9巻

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                  JUGEMテーマ:漫画/アニメ

                  「チェーザレ」の9巻を購入して読みました。実を言うと9巻の内容は
                  ほとんど先に雑誌で読んで知っていたのですが、単行本だとコンパ
                  クトにまとまっているし巻末の資料もあるということで購入しました。

                  最初のページにすぐ三国同盟についてと登場人物紹介がありました。
                  やっぱり言葉だけでなく地図で三国同盟のミラノ公国、フィレンツェ共
                  和国、ナポリ王国の場所が示してあるとわかりやすいです。今気付いた
                  のだけど、この三国は公国、共和国、王国とそれぞれ違っています。
                  登場人物紹介のところでルドヴィーコとアスカーニオもイラスト入りで
                  兄、弟と紹介されてあって、ああこの2人は兄弟だったのだとあらため
                  て納得しました。本で読んでいた時には印象が薄く読み飛ばしていた
                  人物もイラストが入るとぐっと印象が強くなります。アスカーニオの説明
                  で暴走する兄に手を焼いているという部分で笑ってしまいました。暴走
                  しがちな兄をしっかり者の弟が手綱を引いて見守るというパターンの話
                  はかなり好きです。まあこの兄弟2人にはさらに兄がいて、その兄の
                  子が正統な後継者のはずなのにルドヴィーコが摂政になって実権を
                  握ってしまう、正統な後継者側から見れば悪役ですが、それでもこの
                  兄弟はなんか憎めないです。ルドヴィーコはレオナルド・ダ・ヴィンチの
                  パトロンにもなっているので、そのことからも私のイメージはよくなって
                  います。

                  前に雑誌で読んだ時もすごく感動したミゲルがアンジェロのお祖父ちゃん
                  を訪ねて行くシーン、ミゲルとアンジェロの絆、お祖父ちゃんがどれだけ
                  フィレンツェを誇りに思っているかがよくわかってやっぱりジーンとしまし
                  た。その後のミゲルとアンジェロのシーンで、教皇庁のことをよく知らない
                  からとジョヴァンニの側近になるのを不安がるアンジェロに対して、それ
                  ならシレンツィオ様にご教示願えば済むことだろうと簡単に言うミゲル、
                  私は最初読んだ時これはユダヤ人で教皇庁には簡単に近づけないミゲル
                  が、お前はキリスト教徒なんだから知らないことがあっても教われば
                  済むことだろう、と少し皮肉って言ったのかなと思ったのですが、その後
                  教皇庁には意外とたくさんのユダヤ人が働いていて、特にロドリーゴは
                  スペインから追放されたユダヤ人を積極的に受け入れていたということを
                  知ったので、ミゲルはこの時皮肉ったわけではないのかと解釈が変わり
                  ました。

                  9巻の内容を読んでイメージが大きく変わったのがジュリオ、後のクレメン
                  ス7世です。この人は教皇になった時にローマの略奪を招いてしまったし
                  隠し子のアレッサンドロはとんでもない暴君、正直言ってあんまり好きでは
                  なかったのですが、チェーザレに登場するジュリオはとてもかわいく賢く、
                  さらに自分がロレンツォの子ではないこと、聖職者となる立場にいることを
                  よくわかっていて共感が持てました。従弟のジョヴァンニが教皇になった
                  とはいえ、庶子であるジュリオが教皇になれたのは相当頭もよかったので
                  はないかと思いました。キリスト教社会では絶対に認められない庶子に生
                  まれたジュリオはこの頃同じ庶子で聖職者のチェーザレに特別な思いを
                  抱き憧れたかもしれません。

                  9巻でもラファエーレは大活躍で、教皇の両脇にジュリアーノと並んで登場
                  しながら、しっかりロドリーゴと密談もしています(笑)ロドリーゴやジュリアー
                  ノは顔が怖すぎてあの枢機卿の赤い衣装は似合わないだろうなと思ってし
                  まうのですが(笑)ラファエーレは似合いそうです。ジョヴァンニの卒業式で
                  はチェーザレも試験管として出席するという案を話した時にはロドリーゴも
                  満面の笑み、策略だけでなく父親としてもチェーザレの晴れ舞台はうれしく
                  てたまらないのでしょう。怖い顔のロドリーゴをここまで笑顔にさせる、ラファ
                  エーレは本当に策士です。

                  1492年で教皇選やロレンツォの死など大きな変化が予想され、ジョヴァンニ
                  の卒業式も楽しみだった9巻は続きが気になって結局単行本が出る前に雑誌
                  で読んでしまいましたが、気になる部分は全部10巻に持ち越されそうです。
                  10巻分の連載が始まった時またしばらくは雑誌を購入することになりそうで
                  す。大きな変化はなかったけど、人間関係や国の状況が細かく描かれている
                  9巻も読みごたえがありました。巻末の資料も当時の気候から教皇庁の組織
                  図まで載っていて勉強になります。
                   
                  ステラ * コミック * 10:36 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                  ヒストリエ7巻

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                    JUGEMテーマ:漫画/アニメ

                    「ヒストリエ」7巻を読みました。マケドニア将棋がついているという
                    限定版が欲しくてネットで注文したら翌日にはもう届き、ちょうど休日
                    で家でダラダラしていたのでいっきに読んでしまいました。

                    6巻のヘファイスティオンの設定にも衝撃を受けたけど、7巻のそう
                    なった理由についての詳しい描写、これはもうかなり怖くてトラウマ
                    になりそうです。子供や残酷な場面が苦手な人にはお勧めできない
                    なあと思いました。

                    逆にエウメネスがフィリッポス王やエウリディケと彼が考案したマケド
                    ニア将棋をやる場面はほのぼのしていてとてもよかったです。漫画
                    では職人さんが作ったという設定の木彫りの王や王子の駒がすごく
                    似ていてリアルでいいです。限定版はさすがにそこまで凝ると単価が
                    高くなってしまうからでしょう、普通の将棋の駒のようになっていてた
                    だ形が少し違っていました。特別限定版として漫画のようにリアルな
                    顔のマケドニア将棋が発売されたなら、値段は少々高くても買ってし
                    まうと思います(笑)

                    エウメネスがフィリッポス王と将棋を指す時はパルメニオン将軍と
                    アンティパトロス元老も横で見ていて緊張しそうです。こんなすごい
                    人物の前でも飄々としているエウメネス、いい味出しています。そし
                    て元老との約束をすっぽかして(笑)エウリディケとの将棋を楽しむ
                    エウメネス、エウリディケというと叔父アッタロスの野心のために利用
                    されて年の離れたフィリッポス王と結婚させられ、王が暗殺された後
                    オリュンピアス王妃に生まれたばかりの子を殺され自殺に追い込ま
                    れる、ひたすら不幸でかわいそうな女の子というイメージでしたが、
                    この漫画のエウリディケは生き生きしていてとても魅力的です。エウ
                    メネスに将棋を教えてもらって戦いに詳しくなり、自分は戦場に直接
                    行かなくてもフィリッポス王に助言したかもしれないと想像すると楽し
                    いです。この漫画でエウリディケに対するイメージは大きく変わりま
                    した。




                    ここから先かなりネタバレの感想になります。





                    ヘファイスティオンが生まれるきっかけになったエピソードはかなり
                    怖くまたグロテスクでトラウマになりそうです。でもこの場面、全くの
                    フィクションとは割り切れず、似たようなことはあったかもしれないと
                    想像できるリアリティがあります。アレキサンダーの母オリュンピアス
                    は奔放な性格だったようで王以外の男と関係しその相手を殺すこと
                    だってありえそうです。アレキサンダーは自分は神の子だと思う反面
                    もしかしたら奔放な母が関係を持った男との間に生まれた子かもし
                    れないと疑ったかもしれません。実際に目撃しなくても母がいろいろな
                    男と関係しその相手、もしかしたら自分の父かもしれない男を殺してい
                    る、そんなことが想像できる環境にいたら子供にとってはすごいストレス
                    で2重人格になる可能性は十分あると思います。実際アレキサンダー
                    は伝えられているエピソードを見ても、すごく優しく純粋なところと極端
                    に残酷で衝動的に人を殺すようなところがある、2重人格に近い性格の
                    人のようです。

                    純粋なアレクサンドロスの裏の人格として生まれたヘファイスティオン
                    表の人格は裏の人格の行動を知らないとなると裏の人格であるヘファ
                    イスティオンはアレクサンドロスが見たくない現実をどんどん見てどん
                    どん歪んだ性格になりそうです。ひねくれっ子のヘファが弟アリダイオス
                    をいじめてそれが顔もそっくりのアレクサンドロスのせいにされてしまう
                    母オリュンピアスは何でも話せる心の友としてヘファを作ったはずなのに
                    逆にアレクの知らないところでヘファが悪いことをして足を引っ張りそう
                    です。そしてアレクは大変な場面ではヘファを頼って逃げてしまうから
                    醜いものは見ず純粋無垢な子に育ち、裏人格のヘファはますますひね
                    てとんでもない不良になってしまう、成長するにつれ両者はどんどん
                    かけはなれてついには破綻してしまうのではないか、と思ってしまいま
                    した。

                    2重人格という特殊な設定をこの漫画ではしていますが、世界史に出て
                    くる英雄や神話のヒーローは案外2重人格で極端な性格、あるいは影
                    のようによりそい主君ができない悪いことを裏でやる側近がいる、という
                    パターンが多いのではないかと思いました。両極端のことを1人の人間
                    がやるか忠実な側近に悪いことをやらせるか、いずれにせよ極端な人間
                    でなければ歴史や物語の流れを変えることはできないかもしれないと思
                    います。

                    7巻で最も怖かった殺され切り落とされた首を大蛇が呑み込むという場面
                    (こんなとこ見たからヘファはヘビが嫌いになったのか?)イメージ的に
                    ヘビはアレキサンダーの母オリュンピアスに重なるし、アレクは父フィリッポ
                    スの暗殺に母が関わっていたということを心の中で完全には否定できなか
                    ったはずなので、蛇が頭を呑み込むという神話がアレキサンダーの心の
                    奥底にずっとあってその恐怖から逃れるためにあんな遠くまで行ってしま
                    った、そんなふうにも思いました。漫画は作者が想像し作り上げた1つの
                    フィクションだけれど、そのフィクションから史実ではわからない歴史上の
                    人物の姿が生き生きと浮かび上がってきます。
                     
                    ステラ * コミック * 09:37 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                    アレクサンダー大王 天上の王国 巻3

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                      「アレクサンダー大王、天上の王国」第3巻を読みました。

                      この漫画は10年以上前に1巻で完結の話として出ていました。私は
                      発売されてすぐではないけど、映画「アレキサンダー」を見て感動し
                      関連する小説や歴史書を片っ端から読んでいたころに1巻を購入して
                      読みました。少女漫画らしくアレクサンダーと親友ヘファイスティオン
                      がとってもかわいらしい、そして映画公開前の作品なのに王妃オリュン
                      ピアスがアンジェリーナにそっくりなのに感激しました。1巻でのヘファ
                      イスティオンは髪が長くて女の子みたい、人の心が読め危険や死が
                      近づくこともわかるという超能力を持っていて、アレクサンダーがそばに
                      いないと頭痛がおさまらないなんていう繊細さがツボにはまりました。

                      1巻で特に気に入ったのはアレクサンダーが年上の女傭兵サーヌを
                      愛してヘファイスティオンが嫉妬に苦しむ時のオリュンピアスの言葉
                      「ヘファイスティオン、清廉なお前が嫉妬ですか、まあ激しいこと。案外
                      お前も俗物だったのねえ」
                      こんなセリフ、映画でも言ってほしかったです。映画でアレキサンダー
                      が女性に夢中になったのは母から遠く離れた遠征先だけでしたが。

                      1巻で完結だと思っていたこの漫画の続編、第2巻が出た時はとても
                      うれしかったです。第2巻ではヘファイスティオンが相変わらず黒髪の
                      美青年だけどアレクサンダーを守るためには自分の手を汚して酷いこと
                      もするというのがまたよかったです。やっぱり忠実な側近はダークな部分
                      もないと。やっていることは怖いけど、頭に超能力を封印するために羽
                      かざりをつけて見た目ますますかわいくなっているヘファイスティオンが
                      第2巻でもツボでした。

                      第1巻がミエザでの出会いからカイロネイアの戦いまでの少年時代、
                      第2巻が様々な陰謀に巻き込まれながらも助けられ、父フィリッポス王
                      の暗殺で即位するまで、そして第3巻は東方遠征の話です。第2巻が
                      出てからずっと続きを楽しみにしていたのですが、この3巻で完結とな
                      っていました。もっと長く続けてほしかったのに、残念です。

                      東方遠征は実際の出来事をくわしく書くと長くなり過ぎ、また戦闘場面や
                      友人の裏切りなど深刻なシーンが多くなってしまうからでしょうか、主な
                      エピソードを交えながらも独自のキャラを出して少女漫画らしくさらっと
                      書いてあります。最後の方は登場人物がみな30越えているはずなのに
                      第1巻とあんまり顔が変わらず若々しい、特にアレクサンダーなんてずっと
                      少年のようです。ヘファイスティオンは髪を短くしたりして雰囲気変わって
                      いますが、それでも若い、かわいらしいです(笑)それでも2人を見比べる
                      と第3巻ではヘファイスティオンの方がずっと大人に見える、彼が超能力
                      があり未来が読めるからという設定のためでもあるのでしょうけど、同じ
                      年の親友で主君と側近という場合、側近の方が早く大人になってしまうの
                      かな、とも思いました。アレクサンダーやチェーザレなどは早くから英才
                      教育を受けて陰謀にも巻き込まれ成長を急がされるけど、その一方で
                      すごく子供っぽい純粋なところがある、ヘファイスティオンやミゲルなどは
                      彼らのそういう無邪気さに夢中になり命をかけてでも守りたいと思うよう
                      になったのかなあと考えました。同じ年で一緒に育った親友で身分に違い
                      がある場合、側近の方がいろいろ気をまわして早く大人になるようです。

                      3巻で完結なので最後は史実と同じように2人の死で終わっています。
                      映画を見た時のように涙があふれ出るというわけではなく、さりげないの
                      だけれど、後からじわじわと余韻がくるという終わり方です。こういう選択
                      をしてヘファイスティオンはよかったのかなあとか、親友を失った後アレク
                      サンダーはどうやって生きていたのだろう、などなどいろいろ考えてしまい
                      ました。映画や小説、漫画などはその時夢中になって見てもそう自分の
                      人生に関わってはこないものと、決定的な影響を受けていつまでも残る
                      ものがあって、映画「アレキサンダー」を見てからは関係ある漫画を読ん
                      でも本当にいろいろなことを考え、影響を受けてしまいます。「ヒストリエ」
                      なども特にヘファイスティオンの設定は大きなショックを受け、でもこの
                      設定ならば今までとはまったく違うイメージのアレキサンダーが書かれる
                      かもしれないと期待しています。

                       

                      ステラ * コミック * 13:23 * comments(0) * trackbacks(0) * -
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